僕が作品の中で目指すもの
僕は自分が作品を書く上で強く拘っている部分がいくつかあります。
その内の二つをご紹介します。
一つ目は熱量、つまり真剣さです。
上手さや真面目さとは違うのです。
僕は暇だからなんとなく小説を書こうと考えるタイプではありません。
暇だからと言う理由で小説を書きたく無いタイプの人です。
ただし、僕自身がただそうしたいというだけであって、他の書き手様の創作のモチベーションに対する考え方は人それぞれ自由だと考えています。
僕は感動した話でも面白い話でも社会に対して問題提起を投げかけるシリアスな雰囲気の話でも、
書く以上は心の中に熱い想いを持って一生懸命に書きたいのです。
例えば、コメディーのシーンだと、客観的にみて面白いかどうかは別として、効果的に面白く思わせる工夫をして一生懸命ふざけて書きます。
そして2つ目です。
僕は読者ウケとして流行っているかどうかは意識しません。
流行っているものと自分の嗜好がたまたま合えば採り入れますし、合わなければ採り入れないといった具合です。
そして、作者としてのエゴを実現することを主な目的にするような主観的でしかない作品も書きません。
僕が目指すのは、読者に新しくて確かな気付き(価値観)を紹介し、深く感動してもらうことです。
今読者にウケる作品を書くのではなく、
読者自身が気付いていない、潜在的な悩みをつまびらかにして、今まで他の人があまり表現しようと、したことがない人生を楽しむ考え方(人生の物差し)を紹介したいのです。
それには、ちっぽけな僕一人の人生経験による主観だけに頼っても仕方がありません。
僕が読者に紹介したい人生の物差しは決して僕自身の少ない人生経験の中で頭に思いついたものだけでは無いのです。
但し、先に前もって説明させていただきますが、
宗教的思想の布教をするつもりはありません。
僕は宗教の盲信や布教はしたくない人ですから。
しかしながら、仏教を盲信したくない即ち仏教がきらいという訳でもありません。
僕が仏教の教えの中で共感できる部分については、作品の中で扱ったりします。
世の中に無数に存在する奥深いカルチャーに魅了されそれらに自身のアイデンティティーを見出して生きるたたくさんの人達。そんな人達の人生の知恵を僕は上手く組み合わせて客観的に一つのファンタジーの中に表現していきたいのです。
人々の心をテーマにしたSFファンタジー作品として、客観的で説得力のあるいくつもの人々の人生哲学を一つのファンタジー作品の中に真剣に面白く描いていきたいのです。
作品は時代を映す鏡とも言えるかもしれません。
コロナ問題によって命が脅かされた人達や生活や仕事に対して明日さえも見えない人達。
いろいろな境遇の人達にとって、生きる希望が見いだせるようなほっこりした雰囲気の作風をここしばらくは意識して書いていきたいと思います。
僕は僕自身についてこのように思います。
僕と言う人間は、自分のセンスという主観だけに頼ってはいけないと。
自分のエゴを主観的に表現し、それを安易にシュール呼ぶのは違うと思うし、僕自身がそれをすればそれは単に逃げていることになります。
自分の主観の殻に閉じこもり独善的に陥らないように気をつける。
その為には説得力のある客観的視点を絶えず養い続ける努力が大切だと思います。
ここで言う説得力のある客観的視点を養う努力とは、様々な分野の本やメディアからたくさんのことを多角的に学ぶと言うことを意味します。
その中には例えば読者が読みやすく内容を理解しやすい文章を書くと言う創作論等も含みます。
それら説得力のある客観的視点が前提にあってはじめて、作品のテーマが読者にとっての明確な道しるべとなり、読者の心を惹きつけると僕はそう強く信じています。
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