第372話 最終決戦です! その4
魔皇神達とネルヴィア様達の戦い。
数はこっちが倍以上ですけど、拮抗した戦況ですね。
見た感じ魔皇神達は勝つ気は無いようで、勝てないけど負けもしない戦い方をしてますし。
お城に残ってる残り半分のエネルギーが暴走しないか監視もしないとですしね。
まぁ魔皇神達の相手はネルヴィア様達に任せるとして……問題はこっちですね。
やっと決着をつけて、モフモフの楽園で自堕落ゴロゴロ生活を送れると思ったのに……
「ふぅ〜」
気持ちを切り替えるのです!
そうですよ! ヴィスデロビアは腐っても最強クラスの超越者。
僕達とネルヴィア様達を同時に相手取る事はヴィスデロビアも当然分かっているのに、何の策も無いハズがないのです!
つまりこれは……
「お返しだ!」
そんな声と共に振り下ろされた漆黒の長剣を受け止める。
爆弾でも爆発したのかと思う程の轟音が鳴り響き、一瞬で足元の地面が割れて、周囲の土が持ち上がる。
「考え事かな?」
「いえ、もう終わりましたよ」
そう、これはヴィスデロビアの精神攻撃だったという事はもうわかっているのです!!
決着がついたと思わせる事で油断を誘い、復活する事でモチベーションを低下させる気だったなでしょうけど…… ふっ、残念でしたね!
「もう看破しましたからねっ!!」
ヴィスデロビアの剣を振り払い、返す太刀で袈裟懸けに振り下ろす。
「何の事かな?」
先程までなら確実に斬り裂いていたであろう一撃は、悠々とヴィスデロビアの剣の腹を滑って流される。
まぁこの程度なら特段驚く事もありませんね。
せっかくドーピングしてパワーアップしたんですし、このくらいしてくれないと面白くない!!
受け流された刀を引き戻しつつ、ヴィスデロビアの剣を巻き取るように弾き飛ばす。
長剣を手放したヴィスデロビアを連撃で斬り刻……
「っ!」
吹っ飛ばされた。
力に逆らわずにわざと剣を手放しての回し蹴りですか。
翼で体を包み込んで防御したとは言え、こうもあっさりと蹴り飛ばされるとは!
「舞え!」
弾き飛ばした剣を引き戻して手に収めたヴィスデロビアへと純白の羽毛が飛来し、首を捻って羽を躱したヴィスデロビアの頬から一筋の血が流れる。
「っ! これはまた厄介な……」
これは先程、シエラに放ったものとは一味違う!
〝白羽の舞い〟滅光魔法を宿した羽が敵を切り刻まんと飛来する。
その貫通力は統一神界の結界ですら容易く貫く!
自動追尾機能付きの軌道上の全てを消し去る弾幕ですっ!!
「それに加えて……」
幾多もの飛来する羽をヴィスデロビアが剣で斬り裂いた瞬間に起こる大爆発。
ふっふっふ! あの羽は強い衝撃を受けると滅光魔法を放ちながら爆発する羽毛爆弾!
しかも、周囲の羽まで連鎖爆発を引き起こして大爆発するのですっ!!
「クックック、結界を貫き私の肌を容易く斬り裂く程の貫通力と切れ味に加えて、迎撃しようものなら爆発するなんて……全く幼女は恐ろしい技を作る」
チィッ! やっぱり無傷ですか。
まぁ、わかってはいましたけど……ヴィスデロビアめ! またしても僕の事を幼女って言ったなぁ!!
「死ね!」
「遅いですよっ!」
切迫して来たヴィスデロビアの一閃をかわして、回し蹴りをお返しする。
側頭部にクリーンヒットして吹き飛んだヴィスデロビアに向かって疾駆して刀を振るうも……
「っ!」
軽く剣で打ち払われる。
スピードは僕が上ですが、パワーは向こうのほうが上。
エネルギーと能力は五分、総合的に見れば完全に互角……
「あぁ! もう! 面倒ですねっ!!」
思わず愚痴っちゃいましたけど、これは僕は悪く無い!
ヴィスデロビアが面白がるような目を負けて来ますけど、この際そんな事はどうでも良い!
これじゃあ集まってたっても平行線! いつまでたっても決着がつきそうにありません!!
そもそも、戦闘中にエネルギーの塊を使ってパワーアップなんてズルいです!!
ヴィスデロビアがそんな事をするのなら……
「神能〝創世ノ神・等価交換〟」
良いでしょう! そっちがその気なら受けてた立とうじゃないですか!!
あのお城に残っている全エネルギーを対価に設定してオーダーメイドっ!!
《対価を確認。
申請が受理されました》
「決済」
《対価の支払いを確認しました。
またのご利用をお待ちしております》
ふっふっふ! どうです!!
戦闘中にパワーアップできるのはヴィスデロビアだけでは無いのですっ!!
ふっ、僕もついにこのテンプレを達成してしまいましたか……テンション上げ上げです!!
「どういう事だ? 城のエネルギーが消失した……?
一体何を……」
おっとそうでした。
さぁ、ヴィスデロビアよ! 僕の本気をとくと見せて差し上げましょう!!
「行きますよ?
……神能〝惰眠ノ神〟!!」
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