第370話 最終決戦です! その2

 神能・創世ノ神で創造した刀!

 僕自身の魔力を媒体にしたせいか、刀身から柄まで真っ白で、唯一鍔だけは気持ち程度に金色っぽい白……自分で作っておいてなんですが、めっちゃカッコいいっ!!


 禍々しいヴィスデロビアの長剣も程よく厨二心をくすぐる感じで結構いい線いっていますが、純白の刀も負けてない!

 ヴィスデロビアの長剣が禍々しさがあってカッコイイなら、僕の刀は神聖な神々しさがあってカッコイイのです!!


 ギイィィィン!!


 耳障りな轟音を立てながら、上段から振り下ろされたヴィスデロビアの長剣を振り払う。

 同時に黒色と白色の衝撃波が発生して地面を斬り裂いて吹き飛ばす。


「今度は……」


 長剣を弾かれ、ガラ空きとなったヴィスデロビアの胴へと返す大刀で横薙ぎに刀を振るう。


「僕の番ですっ!」


「っ!!」


 まさしくドンピシャ!

 完璧なタイミングと回避不可な速度で放たれる一閃に、ヴィスデロビアが息を呑み……無理に長剣を引き戻す事はせずにくるりと回転させて逆手に持ち直し、刀身を受け止め……


「吹っ飛べ!」


 容赦なく振り抜いた一閃によって勢い良く吹き飛んだ。

 凄まじい速度で吹っ飛び、地面にバウンドしつつも勢いを殺して体勢を立て直す。

 吹き飛ばされたとは言え、今の一撃を防ぐとは流石ですね。


「チィッ!」


「はっ!!」


 体勢をなおして、立ち上がり苛立たしげに舌打ちをしたヴィスデロビアに向けて、頭上から袈裟懸けに刀を振り下ろす。


「ぐっ……!」


 逆に下から打ち上げる様にして再びヴィスデロビアの長剣と刀が交差する。

 瞬時に地面に亀裂が走って割れて、周囲一帯が重力が跳ね上がったかの様に陥没する。


「さっきとは立ち位置が逆になりましたね」


「確かにお前のスピードは私よりも上の様ですね。

 だが……この程度なら何の問題にもならない!」


 まぁ確かにそうですね。

 事実、スピードでは圧倒してる感はありますけど、こうして普通に受け止められてますし。

 ですが……拮抗している刀に徐々に力を込める。


「っ!!」


 ヴィスデロビアの顔が驚愕に染まった。

 今までのは僕の素の身体スペック。

 その状態で拮抗するのなら、魔力を用いて身体強化を行えば……答えは明白っ!!

 このまま押し切……


「がっ……!」


「っ!?」


 ヴィスデロビアの顎を蹴り上げて宙返りして背後からの攻撃をかわし、背後の敵……シエラへと頭上から翼を叩きつける。


 しかし、流石はヴィスデロビアの眷属にして魔皇神1位。

 完全に剣を振り抜いた姿勢であったにも関わらず、今のをバックステップでかわして離脱するとは!


「ですが……甘いですね」


「なっ!?」


 シエラが目を見開き、驚愕に満ちた声を漏らす。

 そんな彼女の周辺を鳥籠の様に取り囲むは、幾多もの純白の羽毛。


「爆ぜろ」


 パチン!


 指を打ち鳴らすと同時に、全ての羽毛が光り輝き……視界を埋め尽くす白い閃光と共に大爆発を引き起こす。

 羽に貯蓄している全魔力を滅光魔法へと変換して引き起こす滅光爆発。


 まぁ滅光魔法の性質を持った爆発なので、そこまでの殲滅力はありませんが、威力は十分っ!

 今の爆発だけで統一神城を半壊させる自信がありますっ!!


「闇に呑まれろっ!!」


 背後から放たれたヴィスデロビアの一撃が大地を砕く。


「遅いっ!」


「グッ!?」


 底の見えない巨大な穴を作り出した光景を尻目に、お返しでヴィスデロビアの背後を取って回し蹴りを放つ。

 何とか間に腕を挟みつつ、ヴィスデロビアが蹴り飛ばされて宙を舞う。


「今のに反応するとは、やりますね!」


 流石はかつて統一神界と少数の勢力のみで渡り合い、壊滅手前まで追い込んだ破壊神です!!

 このままやっていても水平線で、決着は付きそうにありませんね。


「神能〝殲滅ノ神・纏〟」


 地面にしっかりと足を着けて腰を落とす。

 同じく創造した中央に金の線が引かれている純白の鞘に刀を納め、前傾姿勢になって柄に手を据える。


「滅神ノ太刀……」


 溜め込んだ力を解放する様に地面を蹴って、瞬時に体勢を整えたヴィスデロビアへと向けて疾駆し……


「滅閃っ!!」


 踏み込みの勢いを乗せて鞘から刀を抜き放つ!


「死ねっ!!」


 抜刀に合わせて漆黒の魔力が溢れんばかりの長剣が振り下ろされ……


「っ!?」


 ヴィスデロビアの顔が驚愕に染まった。

 まぁ無理もありませんね。

 何せ振り抜いた僕の刀が、漆黒の長剣を容易く斬り裂き……


「バカ、な……」


 背後で夥しい程の地を吹き出しながら両断されたヴィスデロビアの上半身が自身の血溜まりに崩れ落ちた。

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