第116話 悪魔的なお仕置きです!
拝啓、数時間前の僕。
僕は今、ナイトメア本部にある特別会議室にて、正座をさせられて怒られてます。
微笑みながらも目が笑っていないコレールの笑みの前に、考えた言い訳なんて数秒で吹き飛びましたよ?
「お嬢様、私共がどれ程心配したかおわかりですか?」
そんな僕の前には、僕を数時間にわたりお説教し続けてるコレール。
烈火の様な怒り方では無く。
静かで深く重い、例えるならば深海の様な怖さがありました。
「それは……」
「大神が作り上げた、不壊であるハズの迷宮の1階層が丸々消滅すると言う異常事態。
それなのに、姿をお見せになって下さらない。
我々、眷属だけでなく、ナイトメアの全員が生きた心地のしない時間でした」
「うっ……ごめんなさい」
フォルクレスに言われて、焦って帰ってきましたが。
その時には既に本部にいないハズの人員までもが、深層に降りる扉があった場所の前に集まり、オルグイユ達を筆頭に祈りを捧げていました。
「まぁまぁ、コレール殿もそのくらいで。
ルーミエルお嬢様も反省していらっしゃる様ですし」
神様、仏様、アヴァリス様っ!
貴女は僕の救世主ですかっ!?
「そうです。
これ以上はお嬢様がお可愛そうです」
「ほら、見て下さい!
お嬢様、泣いちゃいましたよ!!」
アヴァリスに加勢してノアとシアも擁護してくれます。
僕は断じて泣いてなんていません。
ちょっと、視界がぼやけるのも気のせいです!
因みに、オルグイユとメルヴィーの2人は、僕が帰ってきたのを見ると凄まじい速さで、数分にわたって抱きついた後、僕がお風呂に入ったりする用意をすると意気揚々と走り去って行きました。
数時間もの間、一体何を用意する事があるのか、ちょっと怖いです。
「はぁ、仕方ありませんね。
お嬢様も反省なさっている様ですし、今回はこのぐらいにしておきます」
た、助かりました。
もう足が痺れて、暫く立てそうもありませんよ。
「ですが、お仕置きは必要です」
その一言が、ホッとした僕の安堵の心を粉砕しました。
お仕置き……お菓子が禁止とかされたらどうしましょう。
あっ! あとお昼寝も禁止にされては困ります。
ですが、悪いのは僕です。
ここは、潔くお仕置きを受け入れて見せましょう!。
「そうですね……では一月の間、グラトニーの耳を触ってはダメ。
と言う事にします」
「そ、そんなっ!!」
悲痛な悲鳴をあげたのは、無論僕です。
ま、まさか、こんな悪魔的なお仕置きを仕掛けてくるとは……
ですが! 僕にはアヴァリスがついています!!
アフィリスならばきっと減刑を進言してくれる……
「確かに、ネコ耳など邪道。
私もよろしいかと」
えっ?
「私もアヴァリス様と同意です」
「ネコ耳反対です!」
ノアとシアまでもっ!?
「さぁ! お嬢様、準備が完了しましたよ!!」
満面の笑みでオルグイユとメルヴィーが特別会議室の扉を開けるのと同時に、僕は地に打ちひしがれました。
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