妖精の森

生い茂る木々の暗がりの中で

日の光が刺す切株に倒れ込む様に寄り掛かる


何時(なんとき)の刻が過ぎたのか

何かが覚ませと囁(ささや)きかける


月明かりが照らす切株で舞う輝く光

光は森の暗がりへ飛んで行く


追う道すがら生い茂る木々が

光に道を開ける


辿り着いた地の花に身を下ろした光は

小さな少女に姿を変えた


少女の前に座り込みこれは夢かと尋ねる

「貴方が夢と思う世界ならここは夢の地」


少女は肯定も否定もしない中立な返答をした


無限に広がる花畑に無数の光が飛び交い

花達は枯れを知らぬ様に咲いている


再び少女に問う

この地を現実と思えば現実かと


少女はそうだよと笑った


生きづらい人の世を夢と捨て

私は安息となる現実を見つけた

















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