勇者〜英雄の終結〜

人々の希望と願いを胸に

悪を薙ぎ払った剣を掲げ帰路に着く


向けられる歓声を

自身の高揚感への欲求に変え昂(たかぶ)る


しかし、平和の地に立つ人々は

謙遜(けんそん)し讃えた英雄の必要性を失い


伝説に浸る過去の英雄を蔑(さげす)み

近寄り難い浮浪者の様に扱う


悪の栄えない世に

英雄が存在する為の枢軸(すうじく)は無くなった


剣(つるぎ)を握りしめ

過去の産物とされた英雄伝を


自身の心に語り続け

恍惚の夢に浸りながら永遠の眠りについた








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