第91話:まずはひーくんから (彩乃視点)
いったいこの二人の間でなにがあったのかは分からないが少なくともひーくんはかなりイライラしており、それに対し美咲は彼の舌打ちを聞いた瞬間自分の体をビクッと震わせたくらいには何か怖い思いをしたことを理解した私は彼女のことを抱きしめたまま数歩前へと進みひーくんの真横へと移動した。
そして左の手で優しく頭をぽんぽんしてあげてから
「もしかしたら美咲が何かひーくんの気に障るようなことをしたのかもしれないけど、さっきの舌打ちは明らかに相手のことを傷つけるものだった。物理的に手を出さなければ何をしてもいいってわけじゃないでしょ?」
「………………」
「いいわけじゃないでしょ?」
「………はい」
(これは頭では自分のしたことが悪いって分かってはいるけど納得はしていないってところかな。このまま拗ねたひーくんをよしよししたいところだけど、ここに移動してから更に怯えてるこの子を放置しておくわけにもいかないし)
「ちょっと美咲と購買に行ってくるけど何か欲しいものとかある?」
「………いらん」
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