第77話:二人揃って寝不足 (意味深)

初めて彩乃がうちに泊まりに来た日から数日が経ち、待ちに待った3月20日当日。


今日も朝から部活があるにも関わらず深夜0時から寝ずにぶっ通しでとあるゲームをやっていたどころか、それに向かう電車内でも欠伸を噛み殺しながらプレイし続けるというゲーマーの鏡こと一之瀬様が集合場所に到着するとたまたま同じタイミングで着いたらしい彩乃が眠そうな顔で『おはよう』と言ってくれたので


「おあ゛ああ、ふ~ぁ~」


欠伸をしながらそう返すと健太にはこの完璧な日本語が聞き取れなかったらしく


「なになになに、お前今なんて言った?」


「おはよう、彩乃」


「いや絶対に違ったよね⁉ 少なくとも彩乃ちゃんの名前は呼んでなかったよね?」


(なんだ倉科もいたのか。眠くて全然気付かなかった)


「というか二人揃って寝不足・お互い真逆の方向から来たにも関わらず到着時間は殆ど同じ……お前ら昨日の夜なにして―――ギャアアア‼ ケツがーーー‼」


(ふむ、馬鹿を蹴っ飛ばしたら少し目が覚めたな)


「なんで今日はまだこの四人しかいないんだ?」


「御覧の通り今日は他の学校の人達も多く来てて午前中分は全部取られてました、ということで他の人達はみんなラ○ワンに行ったよ。ちなみに私は彩乃ちゃんを、ひっしーはよーくんが来るのを待ってたの」

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