第49話:その頃彩乃は
校長の勧めでひーくんが普段からやっているという対策について私に話してくれたのでまだよくは分からないが彼のお願いということで一先ず了承することにした私は
「う、うん。まあひーくんがそこまで言うのなら」
「ありがとう。んで本題はここからなんだが………えーと、まあこの作者ことITIRiNって俺なんだわ」
「………え?」
(去年の6月下旬にこの小説について軽く調べたことがあるけど、1巻が発売された時から結構な人気があっただけではなく新刊が出る度にそれはうなぎのぼり。そしてそれは衰えることを知らずみたいなことが書いてあったような気がするんだけど、それの作者がひーくん………)
自分が知っている小説の情報とひーくんから聞かされた情報がどうしても結びつかずちょっとしたパニック状態になっていると校長がこちらの気持ちに気付いてくれたらしく声を掛けてくれたことにより、気が緩んでしまった私はつい
「だっ、だってこの小説って―――」
「おっと、これ以上は駄目だよ佐々木君。そして私はここで一つ君に忠告をさせてもらうよ」
(そうだ、ひーくんとの約束)
「イチはまだ高校生という心身ともに未熟な状態にありながら一人の小説家としてこの現代社会で戦っている。それがどれだけ大変なことなのか、何故私達にこの件については触れないようお願いしているのか一度しっかりと考えたまえ。………今後彼と付き合っていくのなら尚更ね」
「………はい」
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