第37話:vs校長 (下)
「ここで自分のスマホを出したということは大方私との会話は全て録音済みであり、それをばら撒かれたくなかったら大人しくイチの要求を飲め……。といったところかな?」
「もしそうだと言ったら?」
「んー、それはちょっと困るな」
「だったらA男の処分を―――」
「しかしそんなことをしてしまえば今度はイチが学校で虐められてしまうんじゃないかい?」
(最近は佐々木と喋るのに慣れてきたのもあって実は学校にくるのが楽しみになっていたりもしたんだけど、どうせこれ以上仲良くなる前にクラス替えで離れ離れになる可能性もあるのだから別にいいだろ)
「おいおい俺は元からぼっちだぞ。虐められるどうこうの前にクラスメイトで俺に話し掛けてくれるのは佐々木と倉科、それと朝一緒に登校している誉だけなんだから大して変わら―――」
『ねえよ』そう言おうとした瞬間、ソファーの裏に隠れていたらしい佐々木がいきなり飛び出してきたかと思えばそのまま俺のスマホを引っ手繰り、それを自分の胸の前で抱きしめながら
「そんなこと絶対に私がさせないから‼」
「はあ………どういうこと?」
別にカッコつけてるとかそういうわけではないが俺は多少なりとも覚悟して校長との話し合いをしていたし、かなりの緊張状態にあったにも関わらずこの謎の状況のせいでそんな気の抜けたような質問をすると
「あははははは、ここで佐々木君が出てきてくれなかったら私が負けていたどころか本当にこの学校の経営が危なくなるところだったよ」
「チッ、なんか仕組んでやがったな?」
「さぁ、そろそろネタばらしといこうか」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます