第32話:修学旅行2日目

修学旅行2日目。今日も今日とてぼっちな俺は朝から新幹線に乗って仕事の打ち合わせをしに東京へと来ていた。


ちなみに今は会議室で担当編集さんがくるのを待っている最中である。


(ん? 倉科から電話だ)


「なに?」


『あっ、よーくんおはよう。ということで今どこにいるの?』


「なにがということでだよ。あと今は東京にいる」


『東京⁉ それって誰かと一緒にってこと?』


「いや、一人だけど」


「すみません、お待たせしちゃって」


そう言いながら入ってきた編集さんは俺が電話をしていたことに気付いたらしく小声で、『こっちは全然大丈夫ですから』と言ってくれたが別に急用というわけでもなさそうだったので


「悪いけど一回切るぞ。何か用事があるなら後で掛けなおすから適当にL○NEでも送っといてくれ」


「えっ⁉ あっ、ちょっ待ちなさ―――」


(ん? 最後の声って多分佐々木のだよな。あんだけ大きい声を出したってことはまだホテルなのか? まあまだ10時過ぎだから全然おかしくはないけど)


「電話大丈夫だったんですか? なんだかお相手の方が怒ってるような気がしないでもなかったんですけど。もしかして彼女さんとか?」


「あはははは、残念ながらそんな人はいないですよ」

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