第28話:その頃彩乃は
絶対に一之瀬君を見つけて私達と一緒に回らせるとは言ったものの、彼を探すだけでは面白くないということでまずは校長がやっているチュロス屋へと向かっていると明日香が
「去年も思ったけどウチの文化祭のクオリティ凄すぎない? さっきのクラスがやっていたカフェとか教室じゃなかったら本物と見間違うくらいだったよ」
「噂で校長には色んな友達がいて毎年その人達から必要な物を借りてきているって聞いたことがあるけど、普通に高そうなソファーが置いてあったり本格的な屋台がずらっと外に並んでいるのを見ると本当なのかもね」
「その流れで行くと実は朝日さんってどこかのアイドルかなんかだったりして?」
「うーん、まあアイドルもピンキリだからたまたま誰も知らないおかげで騒ぎにならずに済んでいる可能性もあるけどあれだけ可愛ければ普通そこそこの知名度はありそうだし、もしそうなら大々的に宣伝している気がするのだけど」
なんてことを喋っていると『それどうやって用意したの?』と聞きたくなるようなテラス席が見えてきたと同時に、石原と同じく去年同じクラスだった向井が如何にもジャンケで負けた人の罰ゲーム的なノリで丁度話題に上がっていたその女の子に話しかけていたので頭でも叩いて止めに入ろうかと思ったのだが
「な~んだ、お客さんかと思ったら迷子の豚さんだったんですね。でしたら―――はあちらですよ♪」
「「………………」」
「明日香、あれは絶対にアイドルなんかじゃないよ」
「これはまた……去年とは違った意味で話題になりそうだね。ドSカフェとかそういう方向で」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます