高校2年生編

第1話:自分の席

クラス替え。それは程度は違えどみんな最初は緊張しているものであり、俺みたいな人間にとってはトップレベルで嫌いな行事である。だが残念なことに新しい教室についてしまったので早速中に入るとしよう。


さて、まず新しい教室に入った場合何をするかといえば自分の席の確認であり最初の難関でもある。もしここで黒板に『取り敢えず席は自由』なんて書いてあった日には地獄の始まりだ。何故ならば席が自由ともなれば俺達ぼっちが好きな一番後ろの端っこ、つまりは目立ちにくい席は当たり前のように取られており、そして周りは仲のいい友達で固められている。


さらに言えば鴨川でカップルが一定の距離を空けて座っている理論と同じで仲の良いグループA・空いている席・仲の良いグループBという感じになっていることが多いため、同じクラスに友達がいない人間はその空いている気まずい空間に座らなければいけないのだ。


もしそんな席に座ろうもんなら両端から、何か馬鹿にされているのではないだろうかと考えながら時間を潰さなければいけないという新手の拷問タイムが始まる。だが幸いなことに今回は既に席が決まっているらしく黒板にそれの名簿が張られていた。


ちなみにぼっちはそれを見るために黒板の前まで行く時、そして黒板の前で自分の席を確認している間も周りの目を気にしていたりする。兎に角周りの目が気になってしょうがないのだ。

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