第25話 私って巫女なの?
<<徐々に第一章に戻していきます、この25話は第一章25話と同じです。>>
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建設機械が止まった、大方の瓦礫はダンプに積み込まれている。
後は小さな残りを手作業で片づける様だ。
「
「うん大丈夫あの辺り」
さっきと同じ場所を指さす。
おばちゃんが頼んでくれている時に肩を叩かれた、高坂君だ。
「やっぱり何か有る、今探せるように頼んでいるの」
「良いって言ってくれるかなあ」
そんな事を言ってる間におばちゃんが戻ってきて、
「作業を近くで見て見付かったら声を掛けてって、でも貴重品とかはダメだってさ」
「仏像みたいなものはどうかな、神様だけど」
「
「まあ見付けてみないと何とも言えんさ」
作業をしていたおじさんたちの一人が厚さ数センチの紙の束を掴んで持ち上げた。
(あれだ!)
「おじさんそれ!」
「おっこれか」
「うんその中にある」
「中に?」
おじさんは紙の束を地面に一枚ずつ置いていく。
手紙の大きさの封筒みたいな紙を掴んだ。
表面には漢字の様だけど読めない三文字が書いて有る。
「それ!」
「これ?」
おじさんはしげしげとそれを眺める。
「これは何なんだ?」
「それはね神様なの、昔此処に有った狐の祠の神様、丁寧に扱って」
「この子は本物の巫女だから分かったのさ、だから見えなくても分かったんよ」
「ほうこれが神様、ただの紙切れ、、、おやじこれだって渡しても良いな」
おやじと呼ばれた人はそれでも確認して、
「これが神様、ともかく役所に届けにゃいかんのでこれに住所と名前と電話番号を書いて」
小さな紙切れを渡された。
おばちゃんが受け取って書いてくれた。
一旦パリに戻る。
「
高坂君が感心した様に言う。
「そりゃ神様仏様の子供なんだよ何でもお見通しさね」
「そういやいつの間にか巫女さんになってた、信用されたかな」
「されたと思うよ、五來さんて神々しいって言うか、、、」
「それはお前さんが惚れてるからさ」
さらっと爆弾発言が、赤くなって黙り込む私達。
「おや図星だったかい、カマ掛けてみたんだけどねえ」
(やられた、まあ悪くないか、とりつくっておこう)
「それはね珍獣扱なの、体も弱っちいしほっとけないんてだって」
「はあそうですか、でも貴重な友達さ大事にすんだよ」
半分ふざけて、でも気遣っておばちゃんが言ってくれた。
「あっそうだ、これを早く
照れ隠しもあって唐突にそう言う。
「そうだねえ、それならこのお狐さん達も一緒に連れて行っておくれ、仲間の筈だから、とうちゃんお狐様降ろしとくれ」
「ああ商売繁盛の神様連れてっちゃうのかい、商売上がったりだなあ」
「何言ってるさ、久しぶりに出会えた親子を別々に離したら罰が当たって、ごうつくじじいの様にぽっくり逝っちまうぞ」
「そ、そうだそうだ祟られたら困る、善繡連れて行ってくれ」
そう言っておじさんは狐の小さな像をおろして丁寧に拝んでから、神様の紙とキツネ君二体を手提げ紙袋に入れて渡してくれた。
「じゃあ行ってきます、狐さん達大事にされてたって伝えておきます」
「五來さんボクも行っていい?」
「んー入れないと思うけど、、、ともかく行ってみる?」
「うん、入れなかったら仕方ない」
おじさんおばさんに見送られて店を出る。
少し駅側に行って、
「ここから入るの、入れなかったら家と家の隙間だから引き返して、私も入れないかもしれないけど」
わたしは空いてる手で高坂君の手を掴んで私だけが見えている狐横丁に足を踏み入れた。
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