R 風呂のフタ
風呂のフタ。風呂に張られたお湯の温かさを逃さないために乗せるものだ。
ただどこまで効果があるかと聞かれるとかなり疑問符がつく。
風呂本体に対してフタが薄いため、本当に熱を逃さないのかわからないのだ。
ただ蒸気を閉じ込めるので、その分はとどまるだろうが……。
今回はその風呂のフタが出てきた話だ。
神。
そう、機神はいわゆる神である。
どういう基準でそこに至ったのかはわからないが、世間一般でいう神を名乗るに相応しいだけの能力を所有している。
貧困? 無論打倒出来ますが。
やると世界がめちゃくちゃになるけどな!
戦争? 一方的に殲滅して平和をもたらせますが。
なんなら心理誘導で平和裏に終わらせることもできる。
もちろんやると世界がめちゃくちゃになるけどな!
人間の精神を強化して、次の段階にへと進化させられる。
やると世界がめちゃくちゃになるけどな!
気象操作? もちろん可能である。
やると世界がめちゃくちゃになるけどな!
とまあ……。
一神教に語られるそれにすら比肩しかねない超性能の神である。
そして機械知性であるため、いわゆる差別的な扱いすらしない。
存在が善であるかは不明だが。
そのせいで世界的にはややこしい存在であるため、政治的には誰も語らない。
バチカンですら沈黙してるのマジですごいと思う。
まあ自重しないところは自重しないんだがな。
基部から真っすぐ行った沖縄の対岸に神社のようなものが建立されている……。
まあそれは置いておいて。
今日の分のガチャを回そう。
R・風呂のフタ
わあ。
お風呂のフタだぁ。
出現したのは風呂のフタだった。
3枚一組の板を組み合わせて乗せる、ちょっとお高めのタイプの風呂に使われるものだ。
……いやいやいや。
風呂……風呂!?
試すにしても風呂を用意しないといけないわけか!?
めんどくさいなぁ。
機神のコンソールを触っていじればすぐではあるが、実験用の風呂を出すだけの為に触るのも正直……イヤである。
なので、兄がインテリア代わりに置いている樽を用意した。
お湯が入れば風呂扱いでいいやろ!
という、兄のようなノリの産物ではあるが……。
まあいい。
とにかく試せればいいのだ。
試して駄目なら他の手段を考える。
そう思いながら、お湯を少しだけ入れている樽の上に、風呂のフタを乗せる。
樽の大きさに対して、2倍近い長さのあるフタが……一瞬で短くなって樽の中へと落下した。
樽の中に入ったお湯の上にフタが浮かんでいる。
う、うーん……。
もしかしてこれも、どう使おうと使わせないように振る舞うタイプの景品……?
後日。兄が風呂桶を用意し、その内側にみっちりと風呂のフタを詰めていた。
お湯を張った風呂桶の中に、落ちた風呂のフタがピッタリとはまり込んだのだ。
風呂桶の内側のサイズぴったりに変化する風呂のフタとかいう、もう風呂の中に落とす気満々のイタズラグッズだとしか言いようがない。
とか思っていると。
兄は地面に池を作り……その上に風呂のフタを乗せた。
風呂のフタは瞬時に池の縁まで広がり、その水面を埋め尽くしたのだ。
えっ……えっ。
なにその……なに!?
そうはならないだろ!
液体が溜まってれば何でもいいのかよ!
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