R 幽霊屋敷
幽霊屋敷。一般的に幽霊が出るとされる屋敷のことである。
日本では凄惨な事件や、自殺などその場で人が死んだことが引き金となって幽霊屋敷になるとされている。
その場が呪われるから幽霊のような陰のものが集まると考えられているのだ。
対して、イギリスでは妖精のようなものが憑くことで幽霊屋敷になるとされ、縁起がいいもの扱いされているらしい。
今回はその幽霊屋敷が出てきた話だ。
手始めに邪神の心臓を解析することを指示したのだが、これがまず難航している。
構成があまりにもよくわからない、というか普通の肉の塊なのになぜそういう挙動をしているのかさっぱりわからないのだ。
顕微鏡のように拡大して見てみるとDNAの表面になにか書き込まれているように見えるが、それが何を意味しているのかもわからない。
機神で解析できない、というより解析するために必要な要素が欠けている。
ロゼッタストーンとなるものがなにもない。
何も見えない暗闇の向こう側を推し量るようなものである。
なので兄は……
通り道を守っていたドラゴンとの約束を守るために、
え、ええー!?
なんか、雑じゃない!?
やり方が、雑じゃない!?
世界樹の枝からロケットのように発射して霧の中に落とすって、あまりに雑すぎる。
それならあの竜と交渉したほうがよっぽどマシだったのでは……。
まあいいか。
確実ではある。
帰ってこれないだけで。
ガチャ回そ。
R・幽霊屋敷
出現したのは……出現したのは……。
なんだこれは。
魔力視でようやくおぼろげに見えるなにか。
建物のように見えるが、地に足がついておらず半端に浮いている。
……うん。
幽霊屋敷、か。
いやこれは違うじゃねえか!
幽霊が出る屋敷、じゃなくて、幽霊になってる屋敷じゃねーか!
なんか漫画で出てきたことあるぞ!
いや、あれとは微妙に仕様が違うから全く別物と言っていいが。
あれは隙間に折りたたまれてたし……こんなおぼろげじゃなかったし……。
蜃気楼のように佇むその屋敷をしっかりと目視するのは難しい。
もともと無い感覚を魔力で強引に強化してやっと見えている、といった感じだ。
近づいて触れてみても……蜃気楼のように掴めない。
手がすり抜けてしまう。
触れない以上、入ることも出来ない。
いや、押し込めば入れるけど、それは入ったうちに入るのか? という疑問も浮かぶ。
ええー……なんだこれ……。
後日。兄が
何故かドアからではなく壁から体を押し付けて侵入した。
侵入した兄が言うには、中はきれいに整頓された屋敷で、そして部屋の真ん中に死体があった、らしい。
死体。
死体の幽霊。
もう何なんだよそれ……。
幽霊でもなんでもねえじゃん……。
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