62
「実はのう、ワシは誤ってこの穴に落ちてしもうたんじゃ。地上に戻りたいんじゃが、どうすればいいのかのう……」
「へぇ、それは大変だね。そうだ! ボクにいいアイディアがあるよ!」
事情をネズミに話したところ、彼はおじいさんについてくるように言いました。何も分からないおじいさんはこの話を信じるしかありません。
陽気に鼻歌を歌いながら歩くネズミについていくと、そこの先には立派なドアがありました。
「このドアを抜ければ、素敵な世界が君を待っているよ。どんな悩みもすぐに忘れちゃうんだ」
「えっと、別にワシは……」
「さあ、夢の世界にご招待するよ!」
おじいさんの意見は完全にスルーされ、ネズミはドアを開ける事を勧めます。おじいさんが困惑していると、ネズミはじいっとおじいさんの顔を見つめ始めました。
「ほら、早く行かないと。楽しいお友達が待っているよ」
「あ、ああ……お友達は待たせちゃいかんのう……」
「では夢の国に1名様ご招待~♪ おじいさん良かったね。ハハッ!」
おじいさんは焦点の定まらない目でそのドアを開け、その先にあった夢の国に足を踏み入れます。
その後、おじいさんはその夢の国で一生幸せに暮らしましたとさ。
(おしまい)
夢の国エンド ED15
https://kakuyomu.jp/works/1177354054894124932/episodes/1177354054894419987
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます