第22話

 ある老猫が、それより若く俊敏な猫に

「わたしとあにゃたの違いはにゃんでしょう?」

と、訊ねられて、こう答えた。

「あにゃたは話を即座に理解し、即座に決断するにゃ。たいしてわたしは鈍感にぶくてにゃ、良く話を聞いて、考えに考えて決断するにゃ。決断が早いと後悔も多いが、熟慮すると、それはすくにゃくにゃる」




「と、まあスピード重視にするのもいいけど……」

「わかってるわよ、少しは考えないからババ抜き80連敗だってことでしょ!!!」

 少女がおこって、図書室から出るのを、夏緒は深いため息をついて見守っていた。

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