藤の詩

白月詩杏

願い事


藤の花は微風に吹かれ

優しく揺れている

幹に背をつけて見上げれば

桃色の隙間から春の香りが

差し込む


穏やかな気持ちで高い空を見上げながら

私は思う


この世の誰もが

精一杯に背伸びして

精一杯に手を伸ばせるように


優しい気持ちで藤の花を眺めながら

私は思う


この世の誰もが

精一杯に息をして

精一杯に進んでいけるように


ただ一つだけの願い事


この世の誰もが

幸せに暮らせますように

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