第246話 子供が出来た

 また打ち上げ花火が夜空に舞った。



「ン…、親父オヤジの場合もそうだけど……

 マジメそうなヤツに限って、裏で何をやってるか解らないだろォ~……」

 怒りを抑えているようだ。



「はァ~…😔💦💦」

 確かに、資産家のボンボンでイケメンなら引く 数多あまただろう。



 財産や名声という甘いミツに誘われて揚羽蝶のようなあでやかな美女が寄ってくる。



「アイツは…… 元彼女もとカノと切れてなかったんだ」



「えェ…… だ、旦那さんがですか」

「ああ、それも三人も……」

 小さくうなずいた。



「くゥ…… ア💟ジャッシュの渡○か」

 僕は小さく『チッ』と舌打ちをした。



「そ…、ッで、ある夜、元カノのひとりから連絡があったんだ……」


「ううゥ…、連絡が……」



「いきなり『子供が出来たんで別れてくれ』ッて……ねぇ」



「うッぐゥ……、子供が……」出来た……。



「ああ……、舐めた口、叩きやがってェ……

 直接会って旦那アイツもろとも、二目ふためと見られないようにボコボコにしてやろうかと思って、さァ~……」

 ギュッと拳を握ってファイティングポーズを取った。



「うう……😓💦💦」確かに、彼女ヒカリならやりかねない。


 何しろ元湘南最強レディースの【ワイルドビーナス】だ。




 あのプロレスラーのようなモヒカンを一発でKOしたくらいだ。


 それこそ暴れだしたら素人が束になっても手がつけられない。

 



「けど私の前に現れた元彼女もとカノが泣きながら土下座して……🙇💦💦💦

 『お願いです。お腹の赤ちゃんのために、別れて下さい』ッて頼むんだ。

 それを聞いてるうちに何か、やるせなくなって……」


 

「うゥン……、そうですか……」

 泣き落としか……。






∠※。.:*:・'°☆∠※。.:*:・'°☆∠※。.:*:・'°☆

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