第28話【昼休み】
「珍しいなお弁当なんて。
いつもコンビニ弁当か購買のパンなのに」
誠司が近くの席を借りそれを俺の席にくっつけながら聞いてくる。
ちなみにかおりちゃんは既に隣の席の女の子から椅子を借り俺の右側に座っている。
「美味しそうなお弁当ですね。
もしかして透くんが作ったんですか?」
俺が今朝、一姫から受け取った弁当を何も考えずに広げると誠司とかおりちゃんが食いついてくる。
あ、やば!
「こ、これは母さんが作ってくれたんだよ」
「いや、お前今一人暮らしじゃん」
「今朝、こっちに用事があるとかで母さんが家に来たんだよ。
その時に実家で作ってくれた弁当を渡してくれたんだよ」
俺は慌てて出任せを言う。
「へぇ〜そうなんですか。
それにしても彩りも綺麗で栄養バランスも考えられてそうな素敵なお弁当ですね」
最初にどもってしまったのが響いたのか誠司はまだ少し不信がっているがかおりちゃんは納得したようで俺のお弁当を見つめる。
「あ、ありがとう。
母さんにも伝えとくよ。
それよりかおりちゃんも弁当なんだな。
かおりちゃんは自分で作ってるのか?
それともお母さん?」
かおりちゃんも弁当を持っていたので同じ質問をし俺の弁当から話を逸らそうとする。
「今日は私が作りました。
基本お母さんが作ってくれますけど私が作る時や妹が作ってくれる時もあります。
割合で言うとお母さん6、私3、妹が1ぐらいですね」
かおりちゃんはそう言って弁当箱を開ける。
「へぇ〜、かおりちゃんは料理上手なんだね。
凄く美味しそうなお弁当だよ」
かおりちゃんのお弁当は小さめで野菜が多く、バランスが良く考えられているであろう色鮮やかなお弁当だ。
「ありがとうございます。
でもやっぱり透くんのお母さんのような素敵なお弁当を見た後だと少し複雑な心境です」
そう言ってかおりちゃんは複雑そうに微笑む。
「そんな事ないって、透の弁当もかおりちゃんの弁当も両方美味そうだって。
俺なんかコンビニ弁当だぜ?」
そう言ってコンビニのレジ袋に入ったのり弁当を軽く叩く。
「はははっ。
そうだな。
仕方ない、俺の弁当のおかず一つやるよ」
「私のもよろしければどうぞ!
透くんもよろしければ·····」
「まじか!
あざす!」
せっかく一姫が俺に作ってくれた弁当だがさっき俺の言い訳に不信感を抱きつつスルーしてくれたのでそのお礼として一つあげることにした。
「ありがとう。
じゃあ、俺の弁当と交換しようか」
「はい!」
その後、俺達はお弁当交換をしながら比較的和やかな雰囲気のまま昼食を取った。
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こんばんは!
最近フォローが伸びないですね、、、。
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本当に少しづつ進めている「なろう」で書いている『悪役令嬢の姉に生まれ変わったので前世(オタク)知識で妹を救いつつこの世界を満喫する』の改正版をゆっくりではありますがカクヨムで出そうと思ってるのでよろしくお願いします。
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