第26話【朝の学校】

「うい〜す。

今日早いじゃんどったの?」


早く来すぎてやることがなかったのでこの前出した自分の小説を読み一人反省会をしていた。


「ああ、たまたま早く目が覚めたからまたには早めに来るのもありかなって思っただけだ。

別に他意はない」


朝から母さんに叩き起されたからな!


「·····」


俺はそれだけ言って再び小説に目線を戻す。


「おいおい、大親友が来たんだから本置いて話そーぜー」


「じゃあ何か話題くれ」


大親友というとこには少し引っかかるが誠司の言うことはごもっともなので大人しく小説を置き誠司に向き直る。


「えーと、あっ!

そうそうさっき友達から聞いたんだけどさ一条さん、昨日やっと学校に来たと思ったら今日も休みらしいぜ。

こうも休みが続くと何かあるんじゃねーかって思えてくるよな。

それにこれも聞いた話なんだが昨日一条さんの友達が心配して一条さんの家に行ったらしいんだ。

だけど家はもぬけの殻でそれに驚いたその友達が一条さんのことを調べたらしいんだけど親の会社が倒産して両親が自殺したらしいんだ。

それが本当なら最近ずっと休んでるのも頷けるよな」


もうそこまで一姫のことが皆に知れ渡ってるのか。

俺みたいなボッチだったらまだしも一姫は学園のアイドルだ。

皆が心配してあれこれ調べるのも頷ける。


「そーなん?

でも、皆が知ってるってことは金曜までと違ってちゃんと学校かその一条さんの友達に休みの連絡が、来たってことだろ?

じゃあ、その話が本当だったとしても少し一条さんに余裕が出来たってことじゃない?」


俺は頑張って全く興味ありませんよーという顔を作りながら返す。


「そうかもな〜。

まあ、そもそも何処までが本当の話かわからねぇけどな。

次学校来たら昨日以上に質問攻めにされるだろうな一条さん」


「それはご愁傷さまだな。

俺だったら絶対キレて帰るな」


「はははっ、ちげーねー」


誠司は俺の返事に笑いながら頷いている。


『おい、あんな子この学校にいたか?』


『いや、見た事ないな。

めっちゃ可愛い』


『だよなだよな!

ちょっと俺声掛けてくるわ!』


『おいおいやめろってどーせお前なんか相手にされねえよ』


突然教室にいた連中がガヤガヤと騒ぎ出す。


「あ?

どーしたどーした?」


「知らん。

誠司見てこいよ」


「えーヤダよ。

立ったら見えるかな?」


そう言って頑張って背伸びをしてクラスのやつらが目を向けているこの教室への後ろ側の入り口の方を見る。


「あれ?

あの子ってかおりちゃんじゃね?」


「え?

本当か?」


「ああ、マジマジ!

ちょっと見てみろよ」


全くの他人なら無視していただろうがかおりちゃんは知り合いだし昨日のこともあったので立ち上がり誠司と同じ方向を向く。


「マジだ」


「だろ?」


いつもメイド喫茶出会っている時よりも少し雰囲気が違う気がするが間違いなくかおりちゃんだ。


『あっ!』


先程まで入り口付近でキョロキョロと教室内を見渡していたかおりちゃんが俺と目が会った瞬間に声を出し俺たちのもとへ近寄ってきた。

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