第182話 性欲をキープしたい中年
今日の患者は加藤誠一48歳である。
渋沢吾郎:どうしましたか?
加藤誠一:性欲がなくなってきて困っています。私はまだ結婚していません。子供もいません。
渋沢吾郎:性欲なら精力増強剤を飲めばいいのでは?
加藤誠一:自分で何とかキープしようとしているのですが、いろいろと邪魔がありそうで。
渋沢吾郎:難しい問題ですね。どういう邪魔ですか?
加藤誠一:心無い悪口です。私の家には盗聴器が仕掛けられています。しかし、AVを見ないと興奮しないのが現状で。
渋沢吾郎:裸を見ないと興奮しないことですね。
加藤誠一:はい。
渋沢吾郎:ですが、普通の人として生きていけるわけですから問題ないのでは?
加藤誠一:性欲が減っていて相手がいないのは正直凄く寂しいのです。このまま自分が誰からも愛されなくなるのではないかと。
渋沢吾郎:それなら、出会い系サイトを使ってみてはどうですか?
加藤誠一:しかし、今まで1度もあったことがありません。
渋沢吾郎:何かやり方がまずいのでしょう。
加藤誠一:相当考えてメールしているのですが、ポイントがなくなってダメになるのが辛いです。
渋沢吾郎:ですが、今の時代は出会い系サイトが一番の近道ですよ。
加藤誠一:詐欺じゃないですよね?
渋沢吾郎:本物か偽物かを見極めるのも加藤さんの技術次第です。
加藤誠一:なるほど。
渋沢吾郎:もしかして、一番肝心な時にポイントがなくて逃しているチャンスがたくさんあるのでは?
加藤誠一:その時は自分のメールアドレスに来るように書いてありますが、一度も来たためしがありません。
渋沢吾郎:お金はないのですか?
加藤誠一:正直2カ月に1回1万円程度のお金が余裕持てるだけです。
渋沢吾郎:なるほど。まあ、事情があるのでしょう。私からはアドバイスは焦らず、相手の気持ちを考えてメールすることです。
加藤誠一:なるほど。
渋沢吾郎:で、いいところまで行っていつもポイントがなくなるのですね。
加藤誠一:その通りなのです。体調が悪く外で働ける状況ではありません。アフィリエイトも収入ゼロです。アフィリエイトがゼロってあり得ますか?
渋沢吾郎:加藤さんのサイトですと人が集まりそうな気がしますけどね。
加藤誠一:正直、辛いです。
渋沢吾郎:まあ、50までは出会い系で頑張ってみたらどうですか?
加藤誠一:そうですか。それしかないですか。
渋沢吾郎:そうしてみて下さい。
加藤誠一:ありがとうございました。そうしてみます。
と、加藤誠一は帰って行った。
夜、吾郎は清子と話した。
渋沢吾郎:なあ清子。結婚できない中年って難しいな。
渋沢清子:でも、オジサン好きの女の子も中に入るよ。
渋沢吾郎:なあ、清子。自分たちで出会い系サイト作れないかなあ。
渋沢清子:私がプログラミングを学ぶのね。
渋沢吾郎:健太が早く大人になってくれたらいいんだけどな。
と、今日の吾郎と清子は事業の計画を立てていた。
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