第28話 松川父の仕事場

「すみません、こんなとこに来てもらっちゃって」

「いえ、大変申し訳ないんですが、息子さんについて伺ってもよろしいですか?」

「はい、大丈夫ですが…息子は何かしてしまったんでしょうか?」

「いえ、色んな方に伺ってまして」

「そうですか、で、何を?」

「息子さんが隣町で小さい子と遊んでいたことはありましたか?」

「わかりませんねぇ、なるべく早く帰るようにしてるんですが忙しいもんで…。話もするようにはしてるんですが、少し反抗期みたいでねぇ。あぁ、でも。私、息子を1人亡くしてましてね。あいつの弟です。それで、弟と遊ぶみたいにたまに小さい子と遊んでたってことはあるかもしれませんねぇ…。私と弟とあいつで遊んでいたのが隣町だったもんでねぇ」

そうか、弟くんを思って遊んでいた可能性もあるのか。

「そうですか、最近は?」

「最近は部屋にいることが多いので、あんまり行ってないんじゃないかなぁ」

「お部屋にお父様が入ることは?」

「…たまには入りますよ」

今の間、気になるな…。

「そうですか、ありがとうございました。今お話したこと、そして私の聞き取りを受けたことは息子さんには言わないでください。無駄な心配をさせたくないので」

「わかりました。分からないことが多くて申し訳ない。頑張ってくださいね」

「ありがとうございます、失礼します」


うーん。松川くんも怪しいな。本当に悠人くんがいなくなったことに高校生は関係しているようだな…。家族もそのことを知っていた場合…。あぁ、皆怪しい! どうしたらいいんだよ!

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