第30話 誘拐犯と悠人くん
「本当に申し訳ありませんでした、私がこの子を誘拐しました」
…訳がわからない。迷っている間に悠人くんを誘拐したと自首する男性がやってきた…。
松川くんのお父様…。
「おまわりさんだー! ねぇ、久しぶりだねー! ねぇねぇ、誘拐ってなーにぃー!!」
…とりあえず悠人くんは元気そうだ。ご飯はもらっていたのだろう。怯える様子もないし…。どういうことなんだ。
「えっと、すみません。改めてお名前とお仕事をお聞きしてもよろしいですか…?」
「え、あ。松川弘(ひろし)と申します、工場で働いています」
そうだよな。松川くんのお父様だ…。なぜ誘拐…?
「あの誘拐したとは…?」
「この子、死んだ息子にそっくりなんです。かわいいこの子を側に置きたくて…」
嘘を言っているようには見えないが、その理由で誘拐…? いや、愛する息子を失ったお父様の気持ちも考慮しなければ。
「どうして…、自首しようと?」
「あなたがやってきて、もうバレてしまうのなら自分で話そう。そう思ったんです」
あぁ、突然のこと過ぎて頭が回らない…、悠人くんの無事が確認できてよかったが…。とりあえずは華さんと署に連絡を入れよう。
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