復讐の女冒険者達は必至で戦う

待ち伏せされていた事や、眼をつけられていた事実に、どうしようと思う事はしない。私達は復讐するんだ。

幸いにも今のところ、向こうの増援も無いし、このままいければ、この工房に居る奴らを全滅させられる。

そんな想いの元、4人の復讐の女冒険者達はルイーゼとリーゼアリアを前衛にして、アリアーヌの弓と、イングリッドの魔法の援護で、武器を持って襲ってくる闇の職人達を次々と薙ぎ倒していった。


だが…数で押される余り、4人の体力も限界が見えてきた。

そんな時に目の前に現れた3つの影が…


「おつかれのようだなぁ!?よくも俺達の仲間をこれだけ…ッ!!」

工具と戦闘用を兼用した大きな金槌を振りかぶった坊主頭の大男が不敵な笑みを浮かべ、そこまで言い切ると、問答無用で4人目掛けて金槌を振り下ろした。

「こいつ…!!今までの奴らとは、明らかに桁が違う!!皆!!」

ルイーゼは相手が強敵だと確信して、陣形を組みなおそうとする、が…。

「どこを見ているんですか?」

そんな女の声に驚いている間に、イングリッドの腹に激しい蹴りが入れられた。

「が…!?」

「「イングリッド!?」」

驚くアリアーヌとリーゼアリア

「お前…闇の武闘家か!?」

ルイーゼはイングリッドを蹴り飛ばした女にローゼンが作り出した長剣で切りかかるが、女が懐から取り出した短剣で攻撃を受け止められてしまう。

「残念、私は闇の職人と武闘家、両方の修行しているの。」

「何!?」

相手の武闘家と職人両方の修行をしている事実と、短剣で自身の剣を止められたことの両方の驚くルイーゼ。

「私はブレナ。以後、お見知りおきを」

「ふざけるな!!お前も私達の復讐の対象だ!!死んでもらう!!」

ブレナの言葉に怒る、ルイーゼは再び切りかかろうとするが、大男の方の注意を怠った結果、リーゼアリア共々、大金槌の一撃をもろに浴びてしまう。

「がは…!?」

「ディーター、そのまま潰しちゃないよ」

ディーターと呼ばれた大男は吹き飛ばしたルイーゼとリーゼアリア、倒れているイングリッドににじり寄ってくる。

「この…!!」

アリアーヌは弓を引くが、その時にアリアーヌの膝に突然放たれた矢が刺される。

「う…!!」

恨みのこもった目で矢が放たれた先を見ると、丸刈り頭の細身の少年が弓を構えていた。

「アルミン、次は目でも狙ったら?」

「ああ、それも悪くないな。」

ブレナの言葉にそう返すアルミンはまた矢を番えた。

そして、ルイーゼ達の目の前でディーターが金槌を振り下ろし…


「こいつら…!相当な手練れだ…もはや復讐もこれまでか…」

そうくじけ掛けたルイーゼだが、その時…

「な!?」

驚く、ディーターの顔。金槌をローゼンが作り出した剣で受け止めるエアル。

「くそっ!!こうなりゃ、お前が矢を…」

そこまで言いかけたアルミンの右肩に飛んできた短剣が刺さる。

「遅くなって済まない!!」「遅くなってすみません!!」

そう語り掛けながら、走ってくるサムソンとマーシャ。

「新手ね!?あんた達も纏めて…」

そう言って蹴り掛かろうとするブレナの蹴りをスズネが自身の蹴りで止める。

「外からの援軍はずっとあたし達以外にここへ来ている冒険者達が食い止めている。だから、現状の相手の戦力は…」

スズネはそう言いながら、ヴェルデ―ア製の傷薬でルイーゼ達4人の傷を回復させた。


「ふざけやがって!!野郎ども出番だ!!」

そう激昂するアルミンとディーターの号令で、20人あまりもの闇の武闘家、闇の職人達が奥の部屋から出てきた。


「どうやら、これで少なくともこの工房にいるので、敵は残り全員みたいだな。」

敵の戦力を見積もったサムソン。


「礼は言わない。それに、今は…」

そう言って立ち上がるルイーゼに対してエアルは…

「ああそうだな、君達が何に復讐したいかとか色々聞きたい事はあるが…こいつらを倒すのが先だ!!」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る