第187話 8月10日(水)レボ部の仕事その21-12

次は久美ちゃんの番である。久美ちゃんは20代の女性と話していた。

前田:調子はどうですか?

患者:よくない。

前田:どういう症状が出ているか聞いていいですか?

患者:あなたにはわからないと思うけど。精神コントロールがきかないの。

前田:なるほど。自分の精神が自分の精神じゃないわけですね。

患者:よくわかったね。そうなのよ。自分の中に自分じゃないものが存在して、それが自分の首を絞めるのよ。

前田:それはきついですね。

患者:思っていないことが突発的に出てくるのよ。

前田:で、誤解されるわけですね。

患者:でも、治らないのよ。薬じゃダメみたい。

前田:その症状は明らかにストレスのためすぎだと思います。

患者:そう思う?

前田:何か我慢をしすぎると自分で自分を壊すことがあると思います。それが精神コントロールがきかない正体と思います。

患者:そうなのよ。自分じゃない感情が自分を潰しているのよ。その気持ちわかる?

前田:私は分かるけど、普通の人にはわからないんじゃないかなあ。

患者:でも、ストレス発散方法として何がいいかなあ。

前田:運動。特に激しい運動が一番いいと思います。ですが、薬まみれになったら辛いですね。

患者:でも、あなたよくわかるねそういうの。

前田:親戚にそういう人がいたから。

患者:でも、あなたの偉いところはきちんと分析していることよね。普通なら病人ということでただ病院に行けばいいで済ませるのよね。

前田:でも、いつかは治りますよ。

患者:ありがとう。

前田:で、冗談を考えない?

患者:どういう冗談?

前田:シャレを使った謎かけ。

患者:なるほど。

前田:まずは私から。「冬とかけて つまらないギャグでの反応と説く その心は ひえー(冷えー)」

患者:なるほど。じゃあ、私。「自分じゃない感情とかけて 病気と説く その心は 精神コントロールがききません。」

前田:なるほどね。

 と、久美ちゃんと患者の会話はそんな感じだった。

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