19.「呼んだって、何で呼ぶんだよ、君と菜野葉ちゃんだけで、十分だぞ」

僕の膝の上で座る女神ちゃんに抗議した。

「だって、ヒロインは多い方が良いじゃないですかっ、ハーレムも良し、好みの娘も贔屓して、個別ルートに入るのも良しっ、救世主様のお好きな様に・・・あたっ!」

にへにへ気持ち悪い笑みを浮かべている女神ちゃんにデコピンしてやった。

「な、何するんですかあっ」

「僕はハーレムとかそういうの望んで無い」

「えー、まどかと濃厚な魔力供給した後に、それを言いますかっ?」

魔力供給・・・昨日の良くわからない学校でのロッカーの出来事を思い出して、顔が熱くなる。

「おやあ、何想像してるんですかっ?」

ニヤニヤ微笑みながら僕を見る女神ちゃん。

「あ、あれは、魔力供給って奴だぞっ、分かっているよな」

「分かっていますよっ、所で救世主様、何か、腰を引いているみたいですけど、何でですかっ?座りにくいんですけどっ、ほらほらっ」

下半身に後ろめたさを覚えて、反射的に腰が引けてしまうが、僕の膝の上に座る女神ちゃんは、ぐいぐいと、より深く座ろうとする。

「あああーっ、邪魔だーっ!」

「ぎゃんっ!」

僕は立ち上がって、女神ちゃんを退けた。

女神ちゃんはパンツ丸出しな格好で倒れながらも、僕に抗議の目線を向ける。

僕は気にせず、洗面台で顔を洗う事にした。


しかし、どうしようか、謎の少女が二人も増えてしまった。

恐らく、この流れだと、あの二人も、僕と同居しようとするだろう。

それは、困る。こんな狭いアパートの中で、同居人が増えるのは困るし、そもそも、あんな女の子と同居する事事態が問題だ。

女神ちゃんは、僕は救世主だから、問題に発展する事は無いとか言うけど、本当か?親御さんとか、どう考えてるんだ?いや、彼女達は魔法の世界から来たそうだけど、

そう、顔を洗いながら、考えてると、「ひゃーっ!」と、あの年頃の少女特有のけたましさを感じる悲鳴が聞こえてきた。

洗面所から飛び出し、悲鳴の元、台所へ行くと、鍋からもくもく煙が沸いていた。

「な、何やってるんだ!」

僕は、半ば悲鳴の様に、3人に問う。

「あ、救世主様、こ、これはですね、そののっ・・・あうあう・・・」

大人しそうな娘が、僕に事情を説明しようとしているが、パニックって、言葉になってない。

「あつ、救世主様っ、こ、これは、私が味噌汁作ってたら、ミクの奴が、隠し味を入れるって、鍋に魔法をかけて、それで、こんなんに・・・」

「いや、あたしは、ただ、味噌汁が美味しくなる様に軽く魔法をかけただけっスよ、それより、まどかが・・・」

「良いから鍋の火を決してくれ!」

埒が開かない3人に変わって、僕がコンロの火を止めてやって、鍋の煙は収まった。

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