中年おっさんの俺の下に、魔法少女達がやって来て、同棲して色々騒動があったりしつつ、世界を救う話

がおー

1「ぱんぱかぱーん、重大発表しちゃいますっ!おにいさんは、この世界の中心の核ですっ!つまり、おにいさんの存在はこの世界の命運そのものなんですっ!ぱちぱちぱちぱちっ!」

ムカツク職場に耐えかねて、退職したその日、これからどうしようかと、公園のベンチに座って途方に暮れていると、近づいてきたロングヘアの少女に急に言われたのだった。


「・・・・・・君・・・・・・、世界の中心って何を言っているのかい?・・・・・・・最近の子供の新しい遊びか何か?・・・・・・というか、今日は平日でしょ?見知らぬおじさんで遊んでいてはいけないよ?学校は?」


僕は、目の前の少女の意味不明な言葉に警戒気味に返答した。


最近というにはもう10年以上前からだが、おっさんが少女と無闇に会話をするのは、世間にいらぬ誤解を与える。


「わたしは、学生じゃないですよっ?」


「え・・・?これは失礼しました。何か御用ですか?」


明らかに小中学生に見えるんだが・・・。


「わたし、神ですっ。女神っ。この世界の観察者であり、守護神ですよっ」


少女は自分を指差してにっこり微笑み、僕の質問に答えた。


「は・・・?・・・・・・宗教の勧誘なら結構です」


こいつは関わってはいけない。僕は、そう感じて、冷たく接した。


「ふぅん、信じてないですねっ、救世主様っ。わたしが奇天烈な事言っていると思っているんですねっ!。でも、大丈夫っ!きっと信じてくれますっ!。


だって、ほらっ、滑り台の所を御覧なさいっ。救世主であるおにいさんを殺す為に、魔物がやって来ましたよっ」


滑り台の方を振り向くと、青いぼやっとした光の塊があった。その青い塊は、赤く光った光源が二つあり、そして、その赤い光源はまるで、目の様な動きで僕を睨んでいる様に見えた。


「な・・・・・!何だ、あれは」


「だから、魔物ですってっ、世界を滅ぼす為に存在してますっ」


少女はニコニコ微笑んでいる。


「はあ・・・?」


「早く逃げないと殺されちゃいますよ?世界の核(コア)はおにいさんの存在なんですから・・・」


「言っている意味がわからない!!?。君は・・・」


僕がそう言い掛けた途端、青い光の塊が、閃光を発射した。その閃光は僕の頬を掠める。頬から、血がぽたぽた流れた。


「早く逃げましょうっ?」


少女はぐいぐい僕の手を引っ張る。閃光がまた発射され、今度はベンチの端がさっくり切断される。


「分かった、逃げよう。可及的速やかに!」


僕は少女の手を握って、青い光りの塊・・・魔物と逆方向に走った。

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