第八話 ワーグなるもの

◇クロナ

アリア、平気?

怪我はない?


◇アリア

はい

なんともありません


◇クロナ

良かった~!


◇アリア

あの、襲ってくる

『ワーグ』って

なんなんですか?


◇カイ

ああ、そうだな……


◇ノア

文献によれば――


この世に生きるモノは皆

大気中に存在する『マナ』の

恩恵を受けている


◇ノア

『マナ』には、いくつかの種類が

あると言われている


『火のマナ』『水のマナ』

『風のマナ』『地のマナ』

『癒やしのマナ』そして――


『深淵のマナ』だ


◇アリア

『深淵のマナ』……


◇ノア

そうだ

『深淵のマナ』は

普段は無害だが……


極度に弱っている生物や

気の滅入っているモノに

入り込む


そして――

体内のマナを『深淵のマナ』に

書き換え増殖する


◇アリア

そうすると、

どうなるんですか……?


◇ノア

『深淵のマナ』に

入り込まれたモノされたものは

支配され、凶暴化する


それが『ワーグ』だ


◇アリア

ワーグは深淵のマナに

支配されたモノ……


◇ノア

そうだ


◇カイ

それにしても

おかしいなぁ~


◇アリア


◇カイ

この遺跡に

来るまでの間に出くわした

ワーグも


今襲ってきたワーグも

遺跡管理室で

聞いてたより強すぎる


ホントにここ

ブロンズ向けの遺跡なのか?


◇ノア

……もしや

火山噴火の影響で

『深淵のマナ』が――


????

ぐああああーーーー……!!!!


◇クロナ

なに!?


◇アリア

奥からです


◇カイ

行くぞ!


◇ノア

でも、兄さん――


◇カイ

どうしたノア?


◇ノア

予想していた敵の強さじゃない

この先、

不測の事態があるかもしれない


こちらには

アリアがいるんだぞ


◇カイ

ううん……


◇アリア

ノアさん

私なら大丈夫です!

行きましょう!


◇ノア

キミは、なにを根拠に――


◇クロナ

いいじゃない!

私が絶対にアリアを守る!

行こ、カイ!


◇カイ

そう、だな!


◇ノア

ふぅ……

わかった、アリア


◇アリア

はい!


◇ノア

僕らのそばを決して離れるな


◇アリア

わかりました!


◇ノア

兄さん


◇カイ

よし、行くぞ!



********************



◇バウバウ

ヴァウ!

グワゥゥ!!


◇帝国兵

くっ、来るなっ……!!

うっ、うあぁっ……!!


◇バウバウ

ヴワァァァウゥゥゥゥ!!!!


◇帝国兵

う、うわぁぁぁぁ……!!!!


◇カイ

てやああああああああ!!!!


◇帝国兵

っ!?


◇アリア

ご無事ですか!?


◇クロナ

帝国兵……?

あなた、ひとり?


◇帝国兵

あ、あなた達は……?


◇ノア

僕らは『マキナハンター』だ


◇帝国兵

マキナ……ハンター……?


◇バウバウ

グゥゥゥゥ……


◇アリア

カイさん

このワーグたちは……?


◇カイ

バウバウか……

それにしても数が多い


みんな、固まれ!

背後を取られるな!!


◇クロナ

わかった!


◇バウバウ

グワゥウ!!!!


◇ノア

来るぞ!!



To Be Continued……

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