第2話 国造り 1日目

 腕を組んでうんうんと考える。

 俺様には建物を作る知識もない、しまいには木々を加工して次の新しいものを作る技術もない、あるのは話術のみ。


 良きものと悪きものを理解してあげる話術、つまり本音くらいしか取り柄がない。


「1つ言い忘れていたにゃ」

「なんだね」


「まず最初に建国を考える前に、自分を鍛える事をお勧めするにゃ、どこの世界にも弱気者に従う配下はいないのにゃ」


「どうやって鍛えればいいのだ?」


「あなたにはあるでしょ、スキルがにゃ」


「そ、そうか」


 向かった先は国にする予定の場所は川が近くにあり、馬などの餌になる草原がある。

 あと木々が近くに沢山生えている。

 材料にするといいだろう。


 しかし材料にするには伐採をしなくてはならず。

 無数に広がる木々の伐採。


 あと畑や家畜も集める必要がある。

 沢山の動物を育ててみたい。

 中には狂暴で人を平気で襲ってくる獣もいるだろう。


 だけどそんな獣とも仲良くしてみたいのだ。

 そう俺様は思っていた。


 俺様にとって差別という言葉はありえないという言葉に変換する事が出来る。

 どこの世界にも生きている意味がないものなど存在しないのだから。


「よっしゃー気合入れていくぜ」

「がんばるのにゃ」


「右手よーし、左手よーし、これぞ伐採のトンボ」

「あまりふざけると痛い目を見るにゃ」


 まるでトンボのように俺様は走り出した。

 右腕と左腕が、鋸以上にチェーンソー並に木々を両断する事が出来る。


 通り過ぎた箇所からは沢山の木々が豪快な音を立てて倒れていく光景を見る事が出来た。


 大体100本くらい両断しただろう。

 その場にぶっ倒れた俺は体が動かない。


「1つ説明を忘れていたにゃ」

「な、なんだね、とてつもなく筋肉痛なんだが」


「頭の中にスタミナポイントとイメージしてくれにゃ」

「了解した」


 頭の上に緑色のケージみたいなものが表れる。

 しまいには100のうち現在1しかない状態。


「スキルを使うとスタミナポイントが消費されるにゃ、このスタミナポイントはヒットポイントと同じように上昇する事が出来るにゃ、後レベル3おめでとうにゃ」


「は、はは」


「1時間くらい休憩していたら治るにゃ、筋肉痛は覚悟してにゃ」

「了解した。ふう、ちょっと休憩しようか」


 それから1時間後には復活を遂げた。

 覚えたスキルを確認することにする。


【積み上げ】【体操】【テイム】


「新しいスキルを覚えたにゃ、まずは積み上げから教えるにゃ」

「お願いします」


「よろしいにゃ、積み上げは物を積み上げる事に特化したスキルだにゃ、例えば頭の中であの岩の上に積み上げたいと思ったら、近くにいれば投げるだけで自動的に積み上げるものにゃ、無理やり力任せに運ぶ必要はないにゃ、さすがに隣の国に飛ばすとかは無理にゃ」


「なるほど、例えばここからあそこの10メートルくらいかな? そこにこの木をとばせば、積みあがるのか?」

「積みあがるにゃ」


「じゃあ、次をお願いします」

「次は体操にゃ、体操は5分間すると肉体のスタミナポイントがすべて回復するにゃ、基本的にスタミナポイントを回復させるには1時間の休養が必要とされるけど、この体操のおかげで解消にゃ」


「次お願いします」

「最後がテイムにゃ、これは魔物、モンスター、獣の三種類の生き物たちを仲間にする事が出来るにゃ、それぞれの仲間の仕方の条件は違うので、自分なりに見つけるといいにゃ、あとこの島には魔物もいるから気を付けるにゃ」


「なんだかゲームみたいだけど、魔物とモンスターと獣の違いとはどういう所なのですか?」

「いい質問にゃ、魔物は魔力を持っているもの、モンスターは魔力のない魔物、獣はごく普通の動物にゃ」

「なるほど、ずばり聞きますが、魔法猫のティータさんはどうなのですか?」


「秘密だにゃ」

「そ、そうですか」


 それから伐採に伐採を重ねた。

 日本の自然愛好家達にとったら発狂物なのは確かだ。

 たぶん北海道にて伐採しまくったら捕まるか殺されると思うんだけど。


 俺様はにやりとほくそ笑むのであった。

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