第30話 リベンジャー

 あ〜やべぇ……やる事思いつかねー……どっかの国が戦争でも起こしてくれれば、戦況を滅茶苦茶にするとか面白そうなんだけどなぁ……。


 と言ってる側から慌しく兵士が王の間に入ってきたぜぇ?


「最上王! 最上……王!! はぁっはぁっ……」


「あーその王呼びやめてくんね? まるでアイスのモナ王に聞こえるから……」


「はぁっ……そんな事はどうでも良いッ!! 王国から北にある海側から途轍もなく黒い黒雲が接近中!」


「あーあれね。たまたま今日の天気が悪かっただけじゃ無い?」


「悪天候とかと言う黒さじゃない! 黒雲の真下は、普通とは考えられない稲妻が走り、巨大な竜巻に、黒い霧の様な者が渦巻いているんです!」


 ふーん……暇だあああ! って言う俺の心の叫びが何処かに伝わったのだろうか?


 今更魔物の大群なんて……俺に敵うわけ無いでしょ? 俺の一撃であれば、海を干からびせる事だってできるんだぜ?


「あー、良くある異常気象じゃね? 何でもかんでも有り得ねぇっ! って思った事は、異常気象として結び付けても不自然でもねぇからな」


「この馬鹿王めッ! もういい!」


 俺が馬鹿だと? ……え? 何? 今更気付いた? って思ってると、蔑む目で俺を見るレグルス……。


「最上……お前遂に部下に馬鹿呼ばわりされたな……王が馬鹿にされるとは、笑えないぞ……」


「良いんだよ。言わせておけば良い。それと今は例の黒雲を問題視するべきだろ?」


『……その通りだ最上稟獰……貴様の世界など……一瞬にして滅ぼしてくれよう……』


「ん? 今なんか言った?」


「……あ? 何言ってんだ?」


 ……今の声は?


『今貴様の頭の中から話している……』


「あ、テレパシーって奴? おけおけちょっと口閉じるわ」


……誰だお前?


『フフフ……覚えていないのならば、思い出させてやろう……今……貴様が聞いている声は! エピソード第1章、7話にて、世界ごと吹き飛ばされた魔王だよっ!』


 あー! あー……あー? あぁ……えーっと……誰?


『なっ!? 貴様はあの時……』


『『超究極破壊魔法超新星スーパーグランドサン』』


『という技で、世界ごと吹き飛ばしたでは無いか! あの時俺は……勇者の顔さえも見ることが叶わず、跡形も無く吹き飛んだ! 忘れたとは言わせんぞ……』


 あ、あっ、あぁー! ……いやごめん、覚えてないわ……。


『ぐぬぬぬ……もう許さん! いや、最初から許すつもりは無いが、もう我の怒りは収まらんぞ! 今すぐ! そっちに行ってやる……』


 まぁまぁまぁ……落ち着けって! なぁ? お前の怒る気持ちはさっぱり分かんねえけど、怒ってちゃあ、上手く行く事も上手くいかねぇぜ?


『他人事みたいに言うなああああ!!! まず此処から貴様の脳を破壊してやる!』


 キイイイイイン………。


 あ、ごめん。俺に洗脳とかそう言うの効かねえんだわ。


「ふぅ……」


「テレパシーとか言っていたが誰と話していた?」


「んー、俺に非常に強い恨みを持つ、『魔王』」


「はぁっ!? ま、魔王だと!? もう、いつか忘れたけど、世界に大厄災を起こしたあの!?」


「そうそうソイツソイツ……いやぁ、スーパー有名人が来てくれる様な妙なワクワク感がするねぇ!」


「最上……毎回そんな軽口叩いているが、今回も大丈夫なんだろうな?」


「大丈夫! 安心してくれ。多分この王国が吹き飛ぶかもしんないけど、そこは注意してね」


「えぇ……」


 世界に海の枯渇、大飢饉、大災害、凡ゆる自然の均衡を崩壊させ、カオスを巻き起こしたスーパー有名人。魔王。そんな奴が今になって此処に来た目的……それは1つしか考えられないだろう……俺への復讐だ……。


 復讐の理由は知らんが、『俺の顔を見ることも叶わず』と言っていた……つまり! 超絶神級・構ってちゃんって事だよな!?


 もう〜仕方がないなぁ……。次は世界ごと吹き飛ばすなんて真似しないから!


 じゃあ、大規模ドンパチタイムと行きますか!


────────────────


『王国よ……粉々に吹き飛べ!!』


 ゴゴゴゴゴ……ゴオオオオオ!!!


「な、な、なんだあの竜巻はうわあああああ!!!!」

「無理無理無理ッ! ぎゃあああああ!!!」

「お母さああああん!! いやあああああ!!!」


『フハハハ! 実に素晴らしい! 嘆け! 苦しめ! 叫べ!!』


 うわぁ……やってんねぇ! あれが魔王かぁ……日本で言ったら都庁5個分位あるんじゃね?


 ってでけえええええ!!?


『ん? ……ふっ、貴様が勇者であった者か……思ったよりカスの様な小ささだなぁ……?』


「吹き飛べ!」

「『超圧縮暗黒粒子砲ダークマターキャノン』」


 ズドオオオオオオオン!!!!!


 ……スーッ……


『ん? 今何かしたか? 貴様。だったら全く効いていないなあ!!』


 だめだ! キャノンの攻撃範囲と魔王の巨大な体だと、簡単に吸収されちまう!


『我はこの世界を支配する王なり! 貴様は相手に成らぬ……大人しく消し飛んでおけ……』


インペリアルダーツ……』


 天から稲妻の如く炎が降り注ぎ、瞬く間に王国は火の海に包まれん。


「え、ちょっ、熱っっっ!! 体の真髄から焼き尽くされる様な熱さ! だが俺は耐える!」


 あれぇ? 俺炎属性無効の筈なんだけど……。


『それは炎ではない……天の神より下る神火なり!』


 あー、新属性って奴? 厄介だなぁ……。


『ふっ……だがこれ程度では貴様は倒れぬか……だが次で終わりだぁ! 貴様のチートなど我にとっては無意味!』


「言ったなあ!? うおおおおお!」


キュピーン!


☆NEW SKIL☆

新属性(神火、絶氷、颶風、迅雷、王土、暗黒、閃光)全てを無効化。


 ハーッハッハッハッハ!! 俺は気合で新たな力を得るぅ!


無尽イネクスホースティビリティ業火ヘル


 ジリリリ……バッバキバキバキ! ズゴオオオオオオオオ!!!!!


『この業火は、只の業火では無い! 粒子さえも焼きつくし、お前のチートなど無効だと言っただろう!』


「ぐおおおおおっ!!! まるで細胞1つ1つを分解される様な感覚! 俺のチートは……俺のチートは無制限なんだよおおお!!」


「『セリオス大罪クライム』」


 ☆EX SKIL☆

 魔王の力をコピーしました。


 んで、これを改造して……。


「『無尽インフィニティ回帰レグレッション』」


 粒子になるまですり潰されろ!!


 ギュイイイイン!!! シュゥウウウゥゥッッッッ!!!


『何っ!? 貴様! クソ! 体が小さくッッ!? うわあああああああ!!!!!!』


 …………あー疲れた……寝よ……。


「『リバーション復帰ゼロ』」

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