第54話 私 (ボク) 達の敵!

「さあ、俺達と一緒に来てもらおうか!!」


 ……怪しい宇宙人だ。

 青色のヒョロッとした宇宙人が三人、ゴミクズ時代のマジーメに似てるね。

 全員テカテカした銀色のスーツを着てる、マジーメが着てた銀ピカスーツにそっくり。

 見るからに悪者な宇宙人だよ。


「お前等は左右を警戒しろ、絶対に逃がすなよ!」


「「了解!!」」


「くっ……これ以上は逃げられませんわね……あなた達!」


「うん? 私達のこと?」


「そうですわ、あなた達は早くお逃げになって!」


「え……どういうこと?」


「ワタクシと一緒にいると、こちらの事情に巻き込んでしまいますわ!」


 いやいや、カワイイ女の子を置いて逃げるって、絶対にあり得ないから。

 とりあえずえっと……まだこの子の名前を聞いてなかった……。

 お姫ちゃんでいいかな、お姫ちゃんから事情を聞かせて貰わないとね。


「ねえちょっと──」


「フハハハッ、他人の心配の前にまずは自分の心配をしたらどうだ? 貴様の捕縛命令はユニオンマスター直々の命令なのだぞ、この意味が分かるよな?」


 ん? ユニオンマスター?


「ユニオンマスターは第三ウェーブ全域を支配している。つまり第三ウェーブにいる全てのヴェーゼが貴様の敵ということだ!」


「それでもワタクシには使命があるのです! ここで捕まるわけにはいきませんわ!!」


 なるほど、大体の事情は呑み込めたよ。

 どうやらお姫ちゃんと悪顔の宇宙人達は敵同士だね。

 そして、悪顔の宇宙人達はユニオンマスターの部下っぽい。


「ヘッヘッヘ、あんまり抵抗されるとうっかり傷つけちまうかもしれないぜ」


「俺も力が入り過ぎてしまうからなぁ……隊長、気にせずやっちまっていいんですよね?」


「仕方のねえ奴らだな、ほどほどにしとけよ?」


「よっしゃ、どこから痛めつけるか迷うぜ」


「泣きわめく姿が楽しみだ」


「なんて下劣な!」


 はぁ……またか……。


「うナ~……悪い奴ってあんなのばっかりかニャ?」


「そろそろ見飽きてきましたね」


「まったくだよね」


 二人の言う通りだよ、どの星に行ってもあんなのがいるよね。

 もう面倒くさいからまとめてゴミ溜りと呼ぼう。


「ところであのゴミ溜まり、どうしようか?」


「どうやらヴェーゼの関係者のようですよ」


「ついでに性根も腐っているみたいだナ」


 チコタンもミィシャンも同じことを思ってたみたい。


「つまりあいつらは……」


「「「私 (ボク) 達の敵!」」」


 よし、やることが決まった。

 腐ったゴミは掃除しなくちゃね!

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