第49話 とある日の宇宙船

「食事の用意が出来ましたよ~」


「待ってました! 今日の夕食は何かな?」


「今日も宇宙食のプルプルです、毎日同じじゃないですか」


「プルプルにも味があるでしょ? 私はオレンジ色のプルプルが好きなの」


「ソーラは変わり者ですね、プルプルはただの宇宙食ですのに……」


「えっ!? プルプルは皆の大好物じゃないの?」


「嫌いではありませんが、大好物でもないですよ」


「嘘でしょ……宇宙一の御馳走だと思ってたのに……」


「プルプルよりも美味しいものは沢山ありますからね」


「それは……そうかもしれないけど」


「まあまあ、プルプルも十分美味しいですから、それでいいじゃないですか。ちなみに今日はストローを差してみましたよ、ストローで吸うと美味しいんですよ」


「ホントに美味しそうだね、いただきます~す! チュウチュウ……チュウチュウ……」


「チュウチュウ……チュウチュウ……美味しいですね」


「うん、美味しいね……チュウチュウ……チュウチュウ……」


「「チュウチュウ……チュウチュウ……」」


「うナ? もうご飯の時間ニャ? すっかり忘れてたナ」


「うん、ミィシャンの分もあるから一緒に食べぶぴゃあっ!?」


「ソーラ! どうしたミャ!?」


「あぶぶぶっ……」


「大変ダ! ソーラが鼻血とプルプルを吹き出しちゃっタ!? 痙攣してるヨ」


「ミィシャンのせいですよ! どうして裸なんですか?」


「あぶっ……あぶっ……」


「ミャ? お洗濯で服がなくなっちゃたかラ……でも宇宙船の中だし、ソーラとチコタンしかいないから、裸でも平気だミャ」


「ミィシャンは平気でもソーラが耐えられませんよ。ソーラは変態なんですから、突然裸の女の子が現れたらソーラは死にます!」


「あぶっ!? ちょっと待って! 私は大丈夫だから、それより気になることが!!」


「あ、ソーラ復活ミャ」


「あぅっ、ミィシャンはあっちに行ってて、もしくはタオルを巻いてきて。また鼻血を吹いちゃうから」


「そオ? じゃあタオルを持ってくるネ」


「ふぅ……ところでチコタン、言っておきたいことがあるんだけど」


「はい、なんですか?」


「私は変態じゃないよ!」


「いいえ、変態です!」


「変態じゃないってば! どうしてそう思うの!?」


「ラハルで酔っぱらった時、ミィシャンとマヤマヤのおっぱいを揉んでいたじゃないですか。グヘグヘと不気味に笑っていましたよ、完全な変態でした」


「ぐうぅ……」


「ちなみに私も襲われました」


「え!? チコタンも?」


「やはり覚えていないのですね。ずっと私の耳を舐めながら『カワイイ……カワイイ……』と呟いていましたよ。体中を触られましたし……不気味でした……」


「うえぇっ!? 私そんなことしてたの?」


「おっぱいを揉む、耳を舐める、そして不気味に笑う。これが変態じゃなければ一体なんだというのですか?」


「ぐぐうぅ……」


「とにかくソーラは変態なのです」


「だってぇ……違うもん……」


「まあ……別に嫌なわけではありませんから、たまにならソーラの変態にも付き合ってあげますから……」


「チコタン! ホントに?」


「たまにですからね! 私以外にはやっちゃダメですよ?」


「うん……うんっ!」


「お待たせニャ~! タオル巻いてきたナ」


「よかった、タオルがあれば大丈ぶぴゃあっ!?」


「うナ! またソーラが鼻血を吹いたニャ!?」


「ミィシャン! タオルの端からおっぱいがこぼれそうです。下の方も見えちゃいそうです。どうしてそんなに際どい巻き方をするのですか!」


「ニャウゥ……そんなこと言われてモ……」


「あぶぶぶっ……幸せぇ……」


 こうして、ちょっとおかしなソーラ達の宇宙の旅は続くのだった。

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