79話 超絶強化。

 79話 超絶強化。


「まだ、ごちゃごちゃぬかすのなら、貴様の頭も叩き割るぞ、アレマップ・ゾーヤ」


 カズナの言葉を受けて、

 ゾーヤは理解した。


(……たんなる虚勢ではない……なんと冷たい目……)


 性格の問題でビビリはしないが、

 しかし、


(これは……本物の地獄を見てきた者の瞳……)


 ナバイアと違い、

 共感性が非常に高いゾーヤは、

 『カズナの言葉に嘘はない』と理解することができた。


(完全に発狂している者の目……それと『歪んだ狂信』に溺れている者特有の目でもある)


 ほぼ完璧にカズナを理解したゾーヤは、


「……世界の終わりを……その目で見てきた者の感想を……ぜひ、聞かせてもらいたい。それは、どういうたぐいの地獄だった?」


 その問いかけに対し、

 カズナは、二秒だけ悩んでから、

 窓の外を見つめて、


「世界が終わっても……空は、相変わらず、青かったよ」


 ボソっと、そうつぶやいた。


「……」


 『不思議な色』をした静寂が流れた。

 数時間にも思えた数秒の果てに、

 それまで黙って静観していた紅院正義が、

 ゆっくりと、立ち上がって、



「裏金庫の場所まで案内しよう。ついてきてくれ」


 静かに、そう口を開いた。



 ★



 場所は、時空ヶ丘学園の地下で、

 魔導書を保管してある金庫から、そう遠くない場所だった。


 ただ、いくつかの仕掛けによって隠されているため、

 自力で発見するのは困難な場所。


 当然のように、

 裏金庫にたどり着いてからも、

 様々な認証ロックがかかっており、

 裏金庫にたどり着くまでに、

 結構な時間がかかった。



 ――ようやくたどり着いた裏金庫の中に眠っていたのは、


「……なかなかの量だな……」


 大量の強化パーツ。

 その大半が『上昇率の高いレアチップ』。


 と、そこで、

 紅院正義が、


「……一言、いいかな?」


 と、声をかけてきた。

 センが、視線を向けると、

 紅院正義は、


「……ありがとう」


 センの目をまっすぐに見つめて、


「人類のために、想像を絶する地獄を奔走してくれて……本当にありがとう」


「別に人類のためじゃない。知らん人間が何人死のうが知ったこっちゃない。俺は『世界が終わったら俺が生きていくのに不自由だ』と判断したから戦っているだけだ」


「…………そうか」


 正義は『嘘の下手な少年だ』と、心の中で思ったものの、

 しかし、それを口に出すことはしなかった。

 別に『カズナに頭を割られることが怖かった』というわけではない。

 それを、センに言うのは『不敬だ』と、純粋に思っただけの話。



「喰らい尽くせ」



 命令に従い、

 図虚空は、裏金庫に保管されていた強化パーツを、

 全て、ペロリとたいらげてしまった。



 結果、





 0000000000000000000000000000000


 『図虚空』


 《アイテムクオリティ》 【28】

 《コアマテリアルランク》【23】

 《シンクロ率》     【3%】

 《装備者への愛》    【12】


 [HP]        【+5290(強化値3200%)】

 [MP]        【+3900(強化値980%)】


 「攻撃力」       【+6820(強化値5500%)】

 「魔法攻撃力」     【+2001(強化値3770%)】

 「防御力」       【+1923(強化値2030%)】

 「魔法防御力」     【+5206(強化値1500%)】

 「敏捷性」       【+1090(強化値105%)】

 「耐性値」       【+10700(強化値9005%)】



 付与『ゼノ・サイコジョーカー』

   『シルバーキーサーチ』


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