24話 スゴイぞー! カッコいいぞー!

 24話 スゴイぞー! カッコいいぞー!


「召喚条件がない低ランクのラムドカードと、切り札的な高ランクのラムドカード……あと、切り札を召喚するための捨てラムドカードも必要……最終的には20~30枚くらいは育てて、そこそこのデッキにしないといけないかも……いやぁ、こりゃ、大変だなぁ」


 ニィと微笑みながらそうつぶやくゲン。


 きわめて面倒な話だが、

 しかし、ゲンは、

 こういう事を楽しめる性格をしている。


「とりあえず、まずは、サクっと、ワンダーナイトをラムドカード化するかぁ。今の戦力なら、10体を倒すくらい『5分ちょい』でいけるだろ」


 言いながら、ゲンは館の中へと入っていく。


 最初のフロアでは、いつも通り、ワンダーナイトがわいてきた。

 再現性が完璧。

 なんともゲーム的。


 ――ゲンは、さっそく、


「ラムドアイズ・インフラレッドドラゴン、召喚」


 最強の切り札を投入する。


 全長五メートルくらいの龍が出現。




「スゴイぞー! カッコいいぞー!」




 様式美の感嘆符を述べてから、


「いけぇえ! 滅びのインフラレッド・インフェルノ!」


 命令を受けて、ラムドアイズ・インフラレッドドラゴンは、口を大きく開けた。

 ギィイン……

 と、エネルギーが集まっていき、

 ついに、そのエネルギーは暴走する。


「紅蓮の炎に抱かれて消えろ!!」


 豪快な深紅のゲロビ。

 その強烈なエネルギーは、

 ワンダーナイトを一瞬で消し炭にしてしまった。


「ふははははは! 粉砕! 玉砕! 大喝采!!」


 軽く調子に乗ってから、


「ふふん。これなら、マジで5分とかからずにラムドカード化できそうだな」


 そう言いながら、ゲンは、ドロップアイテムを回収後、

 次のフロアに進み、

 覇鬼と対峙する。


 同じく、ラムドアイズ・インフラレッドドラゴンを召喚し、


「滅びのインフラレッド・インフェルノ!!」


 ゲロビを叩き込む。

 強大な火力で即座に瞬殺――とはいかなかった。


「紅蓮の炎に抱かれて消え……ばかなっ!」


 ノリノリでテンプレゼリフを口にしつつも、

 その直後、心底、面倒くさそうな顔で、 


「……えぇ、耐えるのぉ……」


 と、しんどうそうにつぶやくゲン。


 インフェルノをくらった覇鬼は、フラついているものの、しかし死んではいない。


「ダルいなぁ、一撃で死んでくれよ。効率、悪いじゃねぇか」


 つぶやきながら、ゲンは、足に力を込めてダッシュ、

 力強く踏み込んで、


「――ゲン・エクセレント――」


 スパッ!

 と、真剣卍で、覇鬼の首を切り取ってみせた。


 覇鬼は、HPミリで耐えていただけなので、一撃で仕留めることができた。


「できれば、一撃で殺してほしいところなんだよなぁ。こう、サクサクっと、殺していきたい。こういうワンテンポ遅くなるのは好きじゃない……」


 『非効率で泥臭い鍛錬』を続けられる『忍耐強い性格』でありながら、

 『細かい所でテンポが悪くなる事』は『極端に嫌う』という謎な嗜好。


 『コレ』は『純性』も有している『センエース性』の一つ。


「ラムドカードレベルが上がったら、一撃で殺せるようになるかな……」


 などとつぶやきながら、

 ラムドアイズ・インフラレッドドラゴンのレベルを確認すると、


「げっ……覇鬼とワンダーナイトを狩ったってのに、レベルが1のまま……こいつ、レベルあがりにくすぎだろ……」

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