裏技乱舞。

『前書き』

「センエースwiki」というサイトが公開されました。

そのサイトを使えば、分からない単語や概念があれば、すぐに調べられると思います。

「~ってなんだっけ?」と思った時は、ぜひ、ご利用ください(*´▽`*)



裏技乱舞。


 (最初は少なくても、上げるごとに必要ポイントは増えていく……それを計算にいれると、攻撃力に極振りした場合の上昇値は10~15ってところ……雀の涙だなぁ……)


 この世界の強者はぶっとんだ強さを持っている。

 その情報をWEB小説で得ているゲン。


 『真・第一アルファの裏技集』に目を通しているゲンは、

 『強力な攻略本』が頭の中にある状態みたいなもので、

 ありとあらゆる点でアドバンテージをもっているが、

 しかし、現状のステータスが低すぎて、

 まったく楽観視はできない。


(まあ、現時点での数字を嘆いても意味はない。ようは、ここから稼いでいけばいいんだ。というわけで……さっそく努力ポイントを上げていくぞっ!)


 努力ポイントの獲得方法は、WEB小説の方で、散々解説されていたので、

 効率のいい方法は十全に理解している。

 ――ちなみに、ここでも『裏技』が活きてくる。


(えっと……『20‐million‐スライム』……で、良かったよな……)


 スマホに秘密のコードを打ち込むと、


 『20ミリオンスライム・プログラムを起動します』


 宣言の直後、

 スマホの画面から、

 ペイッと、

 スライムが飛び出してきた。


「おぉ……シュールだねぇ……」


 などと感想を口にしつつ、

 ゲンは、家の倉庫から拝借してきた古いナイフを構え、


「初経験値……ワクワクするね」


 とつぶやいた直後、

 スライムに向かってナイフをつきたてた。


 すると、トプンと、ナイフが、スライムの体の中に埋まってしまった。

 まるで、溶けかけのバニラシェイクにスプーンを入れている感覚。


「……わー……斬撃、きかなーい」


 まあ、そりゃそうだよな……などと口にしつつ、

 ゲンは、ナイフをその辺に放り投げ、


「仕方がない……こうなったら、見せるしかないようだな。かつて、屈強な不良を一撃で仕留めたこともある俺の……必殺の拳をぉおお!!」


 全力でつきだした拳は、

 タユン、プルンと揺れるスライムボディにはじかれた。

 その反動で、ゲンは後ろ向きにひっくり返って、あやうく後頭部を強打しかけた。

 反射的に体をひねっていなかったら、そのままお陀仏だったかもしれない。


 スライムは、ゲンの攻撃にビクともしなかったどころか、

 バカにしたような顔でニタニタと笑っている。


「この野郎……ハゲたツラしやがって……」


 怒りに震えるゲン。

 ボルテージが上がっていく。


「覚悟しやがれ。お前は、この俺を本気で怒らせた」


 そう言いながら、ゲンは、Pタイプ数真4号のメニューを開き、


(取得できる魔法の一覧は……んー、あった、あった。とりあえず、スライムは属性魔法に弱いから……火矢を獲得して、あのクソスライムの顔面にたたきこ……ん? 20000?! おいおい、なんだ、20000ポイントって……ふざけんなよ、高すぎるだろ……確か、あのWEB小説の主人公は、200くらいで、魔法を獲得していたのに……)


 攻撃力を上げるのに必要な努力ポイントは15だったのだが、

 魔法を上げるのに必要なポイントは軒並み異様に高かった。

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