ネオバグVS神話狩り。

ネオバグVS神話狩り。


「すごいな、このアルテマ・トランスフォームって……これなら、いける……」


 ネオバグをボッコボコにしだした虹宮。

 その姿を見た岡葉が、


「どうやら、虹宮のスーツはアタッカータイプ……」


 先ほどまでの動揺がウソのように冷静さを取り戻し、


「虹宮のスーツと比べれば、ボクらのスーツは、どれも火力的に劣るみたいだ……というわけで、これまで通り、彼を前面におしだして、ボクらはサポートにまわる! さあ、ここからが本当の勝負だ!」


 その号令を合図に、

 神話狩り全員が、豪速で、ネオバグを囲っていく。


 先ほどまでとは展開力が雲泥の差。

 その包囲網の中、突出した力を持つ虹宮が、

 10体のネオバグに盛大な圧力をかけていく。


 一体に狙いをさだめ、休むことなく、暴力を執行。

 結果、


「まずは一匹……」


 踏み込んで、放った拳が、ネオバグAの頭部を粉砕した。

 驚くほど上がっている火力。

 その爆発的に上昇した火力が、

 さらに、岡葉たちのサポートによって上昇しているものだから、


「ぐっ! いかん! この火力は耐えきれん! 『B』・『C』・『D』! おまえら、盾になれ! 時間を稼ぐんだ!」


 命令を受けた3体は、防御系の魔法やスキルを用いてから、虹宮の前に出る。

 その後ろでは、残っている6体が、全力で魔力を練りだした。


 6体の魔力が上がっていくのを感知したナツミが、


「あれを放置していたら、かなりヤバそうですよ! どうしますか?!」


 その呼びかけに対し、岡葉が、


「しかたない! 虹宮一人を前面に出す安全策は捨て、全員で切り崩す!!」


「となると、逆に、盾の3体は、おれが引き受けた方がよさそうだね」


 すぐさま決断すると、

 神話狩りのメンバーは、自分にできる最高の仕事を果たそうと全力前進。


 その様を見たネオバグは、


「最悪手だな! 『闘神の影を背負う者』以外は恐くない! 凄まじくスペックアップしているようだが、たかが知れている! 『B』『C』『D』! なにひとつ迷うな! そのまま、そいつを抑え込んでおけ! それで詰みだ! ――『E』! ガキどもの対処をお前に任せる! できるな!」


「当然だ」


 6体の中の一体が、魔力を溜めるのをやめて、神話狩りと対峙する。


「ボクらを! ナメるなよぉおお!」


 岡葉は、腹の底から叫び、


「ホロウ・システム、発動!!」


 あらゆる攻撃の貫通値をはねあげるシステムを起動させ、


「結局のところ、ボクらは『トウシくん』のサポート部隊! メインは常にトウシくんに任せると決めている。だから、ボクらに汎用的な能力は必要ない! 尖った武器が一つあればいい! 『使える要素』が一つでもあれば、あとはトウシくんがボクらを完璧に『利用』してくれる!」


 両手にオーラを充満させていく。

 岡葉は、続けて言う。


「ボクの仕事はぁああ! 風穴をあける事ぉおお! くらえぇえええ! 神様も御用達の超必殺技! 『ディザスター・レイ』!!」


「ぐがっ! ぐぎぎぎぎいいいいい!!」


 岡葉の『貫通値がアップしている超火力ゲロビ』を、ガードしきれず、

 ネオバグEの腹部に、ガッツリと穴が開いた。

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