神を超えたミシャ。

神を超えたミシャ。



「――ああああああああああ!!」



 爆発的な魔力の上昇。

 暴走が止まらない。



 ――そして、ついに開く。

 『次』への扉!

 可能性をこじあける!




 ミシャは、神を超えていく!!




 ――膨れ上がり続けるミシャの力を目の当たりにして、

 P型センエース1号は、



「ぅげっ……」


 思わず鈍い声を出してしまった。

 顔が青白くなっている。


「ぅ、ウソだろ……まさか……ちょ、超神化しやがった……」


 今度は、P型センエース1号が押し込まれていく番だった。

 耐えられるワケがない、クソ重たい照射。

 膨れ上がったミシャの魔力が込められた異次元砲。


「ふざけっ、ふざけやがってぇぇええ、ドチクショォオオオオオオ――――」


 巨大なエネルギーに飲み込まれて、跡形もなくなったP型センエース1号。

 跡形もなくなって、

 完全に消失して、

 しかし、


「ぶはぁ……くっ……」


 すぐに、その場で復活するP型センエース1号。

 新品の、完全な状態で、元に戻る。

 そんなP型センエース1号が目の当たりにしたのは、

 厳かなオーラに包まれているミシャだった。


 バチバチと、エッジのきいたイナズマが走っている神気。


 それを受けて、P型センエース1号は、


「想定外な事ばかりが起こりやがる……ふざけやがってぇ……」


 呟きながら、心の中で、


(俺も超神化を……っっ……く、くそっ……流石に、まだ出来ないか……こいつらの武を受け止めるだけでは、その領域まで届くのに、かなりの時間がかかってしまう……殺されるにしても、シューリの武に触れてから殺されねぇと、もはや、急激な成長は見込めない……)


 P型センエースの存在値強化は、『ボタン一つで気軽に出来る』といった類のものではない。

 戦闘力も、存在値も、『強い相手に抗う事』で強化されていく。

 その強化値は、相手が強ければ強いほど上昇する。

 ただ、存在値100程度の状態でシューリと闘ったからと言って強くなれるかと言ったら、そうじゃない。

 ちゃんとした下地があった上で、シューリの武を吸収すると、爆発的に強くなれるという話。


 だから、まずは、百済や九華を相手にした。

 全ては下地をつくるため。

 シューリと闘って武を学ぶための準備。

 センエースと闘うためには、シューリから武を学ぶ事が必須。

 その過程を経ずには、センエースと闘っても殺し尽くされるだけ。



 ――既に、P型センエース1号は、シューリから武を学べる下地はつくった。

 もう、ミシャと闘う事のメリットはない。


 というか、デメリットしかない。


(ヤバい……どうする……つぅか、なんで、よりによって、一番面倒臭いミシャンド/ラが目覚めやがる……ふざけんな、運悪すぎだろ……くそくそくそ……ん?)


 P型センエースの不幸は、

 これだけでは終わらなかった。



「なんだよ、てめぇら……」



 そこで、P型センエース1号の目に、信じられない光景がうつる。


 ミシャの想い、その叫びを向けられた者達。

 そのうちの六名が、呪縛に抗い、立ち上がったのだ。


 その六名とは、神種が芽吹いた者達。

 膨大な存在値と強靭な精神力で、呪縛をはねのけた新生の神々。


 ゾメガと平。

 五聖命王の三姉妹。

 そして、ジャミ。


 まだフラついているが、しかし、心はよれちゃいない。

 六名とも、ギラついた目で、P型センエース1号をにらみつけている。


 深く『神を知る者』達の心は、そう簡単に折れはしない。

 ――ジャミは、まだ、神を深く知らないが、

 あの日、ジャミは、大きな光に包まれた。

 直に、その輝きに触れた。

 だから、宿っている。

 ジャミの中にも、

 センエースの光は、確かに根付いている。



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