七
季節の交差点
雪の絨毯を敷いて
街路樹は白い服を纏い
信号機と車のテールランプが世界を彩り
カラスはその身の漆黒さを際立たせ
人はそれぞれに過去を秘め
諦めたように希望の夢を見る
冬の反対側へと季節を巡れば
あの茹だるように暑い夏があるなんて
とても信じられないなとぼやいて吐き出した
溜息の白い揺らめきはまるで迷い子のよう
進むでもなく
戻るでもなく
ただ立ち尽くすだけの僕に
消し去りたい過去のような雪が
降り積もって肩を濡らす頃
交差点の真ん中で
かつての七月が轢かれていた
誰にも気づかれることなく
かつての七月は横たわり
降り止まない雪に
静かに埋もれていく姿が
まるで僕のようで
まさに僕のようだった
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