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橋を渡りやって来た黒竜達100人は不気味な程落ち着いていた。
相向かって反対側に隙間無く立ち尽くしている約2000人の元死刑囚や元終身刑だったノーマン達を見てもだ。
約2100人がいるのに音は全くなかった。鼻をすする音や咳(セキ)一つすらない異様な沈黙の世界。
その沈黙を最初に破ったのはカオだった。
[皆、仲間か?]
ロンは黙ったまま答えず。顔は能面のように無表情だった。
カオが一喝した。
[目上の質問に答えんか。若造]
ロンの目つきが変わった。敵意むき出しの目に。
その途端、後ろにいる99人の雰囲気が一斉に剣呑な空気を発した。
一方カオ側の2000人のうち半分は動揺が走る。
保護地区では死はいつもそばにあるものの、人を殺す事を避けて生き抜いてる者も多い。
カオがそれを悟られないよう、舐められないよう言葉を発した。
[それがお前達の答えか?]
その声と同時に、カオを囲むように立っていた孫達が手にしていた鉄棒や棍棒を持ち構えた。
ロンは微動だにせず言った。
[俺の名前はロン・ウェイツォン。黒竜のボスだ。後ろの奴らは皆黒竜のメンバーだ]
淡々とした口調が逆にボスとしての素質を、かもしだしていた。
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