第3話 堀江貴文はマッドサイエンテスト説
「芸術は爆発だ」
このセリフは太陽塔の作者として有名な岡本太郎氏のセリフです。
今回は元祖炎上男こと堀江貴文氏について書きたいと思います。
氏は本人の強烈なキャラと行動により両極端な信者とアンチがいるうえに、国策捜査にて犯罪者にされ刑務所に入った事もある人物です。まあ、存在自体が不謹慎という人もいるくらいです。
氏をみるだけでも嫌だという人がいますので軽めなところから入りたいと思います。
氏は有名でお金ももっているわりには、凄く変人です。変人すぎて突き抜けているので怪人といったもいいと思います。有名と怪人をあわせて有怪(ゆうかい)といってもよく、これは妖怪と言い換える事もできます。
妖怪というのは理解できない現象について擬人化、動物化し心の安寧を求めた優しい嘘がその存在の始まりです。堀江氏という存在が理解できずイライラするなら妖怪=理の外にいる存在とした方がいいと思います。それと妖怪=付喪神や自然神なので氏が時として新興宗教の教祖のようにみえるのも当然です。妖怪ですからね。
私はこれだけでは満足できません。堀江氏の本質が多くの人に理解できるようなラベルを張りたいと思っています。何故そんな事をしようとするのか?・・・愉快犯だからです。匿名をたてにとった不謹慎な行為ですね。
私は堀江氏については興味はありましたが氏の書籍を含めて情報を多くできる機会には恵まれませんでした。幸いな事に氏は小銭稼ぎをかねてYouTubeの動画を上げており、それを見る機会に恵まれました。
では堀江貴文氏はどのような人物なのか?ずばりいうとマッドサイエンテストです。これは私の直感から導き出された結論なので順番に確認していきたいと思います。
まずは本家のマッドサイエンスですが創作物においては必須の舞台装置ともいえるのでそちらのイメージから分析していきたいと思います。
・マッドサイエンテストといば白衣やぼさぼさの髪、薄汚れた服です。
→これは服というわかりやすいラベリングに重きを置いてない事を示しています。
・科学者の癖に以上に行動力があり腰が軽く、どこからともなく資金や資材を調達してくる。
→科学者といえば頭でっかちなイメージがありますがマッドな方は現場重視です。そのため戦いの場へでてきたりとか、何処からともなく資金や資材を調達してくる謎の人脈を持っています。
・倫理や常識、慣習にとらわれずに真の通った独自の理論を実践、追求する。
→これはマッドやマッドたる由縁ですが作品によりバラツキがあり、上手く描かないと単なるクズになってしまいます。悪=マッドではないという事です。
・身内や部下に甘い、優しい。身内から人望がある。
→無茶はしますが基本的には上記な感じで、どうしても勝ちたいから倫理に劣る改造をしてくれと言われたら最大限の安全マージンをとり実施するのがマッドです。
・世間や社会から嫌われていたり、犯罪者扱いされている。
→これは描き方が難しくパターンが多いのですが基本的にはアンチと信者が両極端な傾向にあります。
・爆発もしくは炎上する。
→自爆装置とかヤバいモノが研究所や機械に組み込まれているので必然的になります。これはマッドサイエンテストの様式美ともいえます。
堀江氏がどうなのか順番に分析してみます。
まず、服装ですが彼は頑なにノーネクタイを貫いています。白衣のかわりTシャツを好んで着ています。服装でどうみられるかを気にしていないというか効率的ではないと思っているようです・・・マッドです。
行動力についてはマッドです。以上に腰が軽く行動力があり謎の人脈や資金源を持っています。論理、常識、慣習を無視するについては暴言、極論が非常に多い事からこれもあたえはまります。身内や部下に甘い点も同じで脇が甘く身内に裏切られたりするもマッドです。アンチと信者が両極端にいるのも同じです。
ちなみのかの有名なライブドア事件の時は部下である幹部の方々がかなり汚職をやっていたそうです。脇が甘々ですね。また、氏の経営者時代は頻繁に情報のリークが発生し世間を騒がせていました。
そして、最後に爆発、炎上ですが氏は人こそは殺していないですが刑務所で実刑を食らった犯罪者兼元祖炎上男として有名です。炎上は氏の発言から生じた現象ですが・・・この人は当時の日本社会を炎上させました。
この行為により氏の作ったライブドアは社会悪とみなされ、それが氏の逮捕と会社の解体に繋がりますが・・・実のところ服役したといっても人殺したわけでもなく、器物を損壊したわけでもなく執行猶予がつくような軽い罪での服役です。裏では執行猶予のための裏取引も持ち掛けられいたらしいのですが、かたくなに拒否してあえて実刑を受けたそうです。
では、氏が何を燃やしたか?どれくらいマッドなのか?を氏の経歴と共に抑えたいきたいと思います。
氏のライブドア設立までの生まれや学歴については特異ではあるものの、天才系人物の経歴としてはそこまででもないという感じです。まあ、中学生でプログラミングを独学で覚えるくらいの理系の人なのに何故か東京大学文学部と文系にいきます。在学中からプログラミングの仕事に行い、それが高じて会社を設立します。
会社の設立と共に大学を退学しているので東大というブランドを身にまといたかっただけなのかもしれませんが、あえて文学を選ぶあたりが堀江氏流のマッドなのでしょう。
東京大学を1996年に中退し会社を興した堀江氏は会社を順調に大きくしていきます。WIKIによると当時のネットビジネスの最先端をいく会社でHPの政策や管理などを請け負っていました。2000年4月には東証マザースへ上場し2002年に破産した旧ライブドア社を買収にライブドアという企業が誕生します。
世の中はインターネットがメジャーになり金融ビックバンが起こっている時代でした。金融ビックバンの本質とは何か?それまでは極一部の人しかできなかった株取引、投機などのハードルが著しく下がり個人投資家と呼ばれる人たちが一気増えた事です。これに金融取引量が劇的に増えます。
ライブドアに名前が変わる前の氏の会社は作る側でした。HPをつくるシステムを作るなどなど・・・ライブドアに変わった後は作るだけでなく使う方に移行しだしました。ネット証券の運営や株式への投機、投資などなどいわゆるEコマースという奴です。
そこで彼が何をやったかというと劇場型金融投機SHOWです。彼はグレーゾーンや法の未整備を利用したM&Aや投機、投資を強引に進めて急激に会社を大きくしていきます。この手のこころみは過去も現在も行わられているのですが・・・氏の思いついたアイデアは一般大衆を株の世界に引きづりこむ事でした。
ところで投機と投資は何がちがうのでしょうか?境目は曖昧ですが投機はハイリスクハイリターンで賭博性が強く投資は堅実な感じを目指すものです。
ライブドアとなった氏の会社はこの投機色が極めて強いのです。同時期に世間を騒がせた村上世彰氏の村上ファンドとは性質がまったく逆です。村上ファンドは特定のお客の資金を投資する会社ですからね。
この頃の堀江氏は左手に六法全書、右手に火炎放射器を持ったクソガキです。かかわってしまい敵対した人にしてみれば最悪です。もともとがゼロからのスタートで彼は守るものを持っていなかったのですから・・・しかも、離婚して家族とは離別する念の入れようです。
歯にモノをきせぬ暴言とロジカルな思考とネットパイオニアの知識を武器に一般大衆の支持を集める形で彼はどんどんと会社を大きくしていきます。法律こそ違反していないですがヤクザや半グレとやっている事の本質は同じです。
発言も炎上しましたが、彼に関わってしまった会社は炎上させられたケースが多かったと思います。タチの悪いのが良い方向に炎上させたケースもあった事です。
氏の発言で有名なのが「お金があればなんでもできる。」ですが、かなりひねくれた人物なので本音を捻じ曲げてしゃべります。おそらくはこの発言の真意は「金がないと何もできないだろ?」です。実際のところ日本のベンチャー企業の多くは開発資金で苦労しています。氏も苦労をしたのだと思います。
彼の炎上騒動で有名なのが大阪近鉄バッファーローズとフジテレビの買収騒動です。これらの劇場型金融投機SHOWが社会悪とみなされて国策捜査にて氏ともにコングロマリット(複合企業)としてのライブドアは解体されます。この事件はライブドアショックと言われていますが、面白い事にライブドア解体あとも子会社のいくつかは後にネットビジネスにおいて重要な開発や役目をはたしているのが興味深いところです。
ただ、極端であったものの氏は既存の仕組み破壊と再構築を行い。新たな企業活動に繋がるひな形を作ります。Eコマースを利用して既存企業から金を吸い上げて、ベンチャーに回す。収益の母体をネット証券や投資におくという新しい企業のスタイルや終わった言われていたプロ野球球団の宣伝効果の再評価などなどです。
この氏が作り出したスキームは現在でも使われており、多くの企業がライブドアと同じような道を緩やかに成長しながら辿りました。
私がライブドアの捜査が国策と思うのは業績が伸び続いている生きている会社に強制捜査をいれた事とその後にサブプライムローンを継起に発生したリーマンショックです。いいのか悪いのかわかりませんが。堀江氏と村上世彰氏がリーマンショックに類する事を行う可能性はないですが過度に投機的な株取引が続けばリーマンショックに相当する事が日本発で発生した可能性は十分あります。
このライブドアショックが発生した事により日本が結果としてリーマンショックから距離をおけたのは事実ではないかと思います。恐らくは国はアメリカの金融事情についてなんらかの情報と対応戦略を持っていたと思います。まあ、ライブドアショック自体は検察の勇み足な面がありますがその後の流れをみるにそんな感じがします。
ライブドアショックの前に氏は選挙に出馬します。この選挙の時に体験した事は氏の人生観を変えるほど大きな事だったようで、今でも頻繁に語っています。ちなみに出馬した理由は亀井静香代議士に選挙で勝つ事ができれば総理大臣になれる可能性があるからとの事です。そんでもって亀井静香代議士は当時は選挙で最強に強いと言われた人物でなので・・・理論に方法に自信があったしても普通はやらないと思います。マッドです。そして、亀井氏をもう一歩まで追い詰めたのですからたいしたものです。
当時の亀井氏は国民新党に所属しており選挙において重要な役目をはたすはずだったのですが・・・堀江氏に自身の選挙区を燃やさせたせいで防戦一方となり国民新党は攻めの選挙ができませんでした。
この時につかったのが劇場型政治SHOWという手法です。同じ手法でアメリカの大統領になったドナルド・トランプという人物がいます。また、この手法をマスコミを利用する形で行い民主党が政権をとったのですが、実が伴っていないため今では悪夢の時代と言われています。そんでもって野党になった旧民主系の勢力はいまだにこの手法を使い続けていますが国民に見透かされて効果がないどころか逆に悪い方向に進んでいます。パクリや背乗ってのは安易にやるべきではないという事の典型ですね。
この選挙戦の前に氏は自民党からライブドアの社長を辞めるように言われ、それを蹴ったとの事です。推測ですが近々、ライブドアに検察の捜査が入る事、不明瞭なお金の流れがある事を伝えられたのではないかと推測しています。
これも推測になるのですが当時のライブドアの経営陣と堀江氏の間には大きな溝があったのではないかと思います。経営陣にとっては金儲けがなによりも大事で氏が大事にしていたのは稼いだ金で新しい仕組みや技術を作る事だったのだと思います。これはよくある会社の変質ですが氏は身内に甘く脇が甘いのでほとんどの役員が横領をやっていたという、経営者としてはあまりも杜撰な事も後に発覚します。
また、大局的な視点で考えるなら氏はライブドアの社員を見捨てる事もできたはずですし、そうすべきだったのですが・・・氏は見捨てませんでした。本当のところは本人しかわからないのでしょうが、何らかの責任をライブドアの一般社員や株主に対して感じていたのかもしれません。
球団買収、フジテレビ買収、選挙とこれは2004年~2005年の間に起こった事です。氏は日本中のあらゆるものを炎上させたともいえます。そして、ライブドアという会社解体、自身は2011年に刑務所へ・・・マッドすぎます。ライブドアという会社には自爆装置や爆発するヤバイモノが仕掛けられていて、それを誤って動作させたか、ポチっと押したしか思えません。というか検察が押してしまったように思います。
この一連の騒動ではボタンの掛け違いみたいな事が頻繁に発生しました。堀江氏自身もそうだったと思うのですが世間も日本の支配者層も堀江氏がどういった性質を持つ人物か理解できていなかったように思います。ライブドアという企業も矛盾の塊のような存在です。
この一連の騒動での堀江氏をラベリングするなら、パイオニア、アジテーター、詐欺師、革命家、香具師、狂人などなどです。このラベリングに失敗して判断を見余ったのは検察です。ライブドア関連でおかしなお金の動きがあったのは不審死している人物がいる事から間違いないのですが・・・氏は企業犯罪の中心人物ではなく、むしろ利用される側であったのではないかという事です。
もう少しシンボリックにするとライブドアという金融暴力装置の仕組み自体を作ったのは堀江氏だったのですが、その運用において犯罪を犯したのは他の人物だったとか、悪の親玉かと思って捕まえてみたら単なる技術者だったみたいな感じです。
氏は服役しましたがその罪は過去の判例から当てはめるとかなりの無理筋ですし、この後に起こった。オリンパスや東芝の企業犯罪に対しての検察の対応はかなり温度差があります。ただ、この一連の騒動で氏はかなり理不尽な対応を世間や国から受けており、普通ならそのまま世捨て人になるか、世間の表舞台に上がる事(上がりたくない)はないと思われたのですが・・・堀江氏はお得意の劇場型SHOWを行い続けます。自身の収監と服役までSHOWにしました。狂っているとしか言いようがないです。世間の人達もまったく理解できなかったと思いますし本人も分からなかったのかも知れません。
2013年後の長野刑務所から仮釈放後は世捨て人なのに社会には積極的に関わるという、よくわからないスタイルを取り出します。そんでもって自身によってくる人をこまめに面倒見たりしだし、ますます理解不能な行動を取り出します。
ただ、氏は金持ちになったのに一般大衆に媚びる、愛せる、アジートできるという精神的な才能を持っていました。普通は金持ちになったら一般大衆と関わるのを嫌がる人が多いのですが、氏はこれができるタイプです。この才能を早期に見抜き政治の世界へ誘導しようとした自民党の当時の首脳陣はなかなかのものです。
もちろん発言は過激で上から目線なモノが多いのあいかわらずの炎上ですが、普通は関わろうとは思いません。ライブドアで挫折したとはいえお金自体は持っていたのでわざわざメンドクサイ事をして稼ぐ必要もないわけですから・・・
そうこうしているうちに氏は再び名声を取り戻していきます。そんでもって何故か高校の運営に参加したりとかオンラインサロンをやりだしたります。マッドサイエンティスト堀江の誕生です。ここまでの状態になって初めて周りも彼自身も自分というものが理解できてきたような感じです。
どうも、この人は生来の目立ちがりやなのですが、自身が褒めたたえられる事は好まず。自分が作った仕組みや見つけた情報を褒められたり、実績をだした人がいると喜ぶというタイプの人のようです。これは学者と言われる人によくみられる志向です。
ホリエモンといえば議論では強く主張し常に喧嘩腰というイメージで、それは間違っていないのですが、その本質は自分の考えや情報を照らし合わせたいという探求心からのようです。絡んできた一般人に対してガチ切れしたりとか、世間のニュースに対してのコメントが異常に喧嘩ごしだったりするのも自己主張の確認の意味合いが強く基本的にノーガードです。むしろ、議論において殴られると喜ぶマゾ豚タイプです。
たまにガチで殴られて(議論で)で身悶えしているので見ていて面白いです。
これは一見すると似たようなタイプに思える。元2chのヒロユキ氏とは180°異なるスタンスです。ヒロユキ氏の論破や過激な発言は自己防衛の為です。ですので殴られる事を極度に嫌がり常に安全圏にいる事を好むチキンなんで話が面白くありません。
一番違うのが経営を行う時の方針です。同じ法のグレーゾーンを突くにしても堀江氏は表社会側からグレーをつく脱法行為をやります。フジTV買収の奇手である時間外取引なんかは金融省に問い合わせをしたりもしています。それに対してヒロユキ氏はアンダーグランド側の人間が表にでて来る時にグレーゾーンを使う感じです。初期のニコニコ動画の著作権無視と民事訴訟の無視なんかはその典型です。
私も理系の人間なので堀江氏の話というか理論と情報は単純に面白いと思います。まるで即興で作られたSF作品です。そんでもってその理論の幾つかは実際に実践しているのが、また面白い。
氏は2020年の現在、社会科学研究兼実践者=行動する科学者=社会派マッドサイエンテストとしては絶頂期にあると思います。炎上が減ったのはちょっと寂しいですが広範囲に燃やす放火魔なんで今ぐらいがちょうどよいでしょう。
彼が昔のように時代の寵児になる事はあるのか?これは私の予測ですが戦争が起こらない限りは今の道を進み続けると思います。武力衝突を伴う大規模な戦争が発生したなら彼は政治の世界に戻ると思いますし、周りもそれを望むと思います。
実はこの人・・・自分が日本という枠の中が一番力が発揮でる事を知っているし、日本の外に本気で会社を経営した事もないんじゃないかと思います。ライブドアにしてもアジアやアメリカ、EUなど外にでる機会はあったと思います。元村上ファンドの村上世彰氏は逮捕された事により日本という国に絶望したのか一時期は海外に活動拠点を移しました。
おそらくですが政治の世界に復帰するときはよくわからない斜め45°の国家愛を語ると私は予測しています。なんていうでしょうかね。この人、人と関わる事が大好きなんですよね。本人も他人をめったな事では嫌いにならないと言ってますし、行動もそんな感じです。他人を愛するという事は必然的にその集合体である国家も愛すと思います。
ひょっとしたら新しい形の国家への忠誠心を示すかもしれないですね。では、このあたりで。
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