不謹慎なエッセイ

黒岩虎吾郎

第1話 舞台装置としてのロリコンキャラについて

日本人の男性はネオテニー(幼体成熟)への進化が他の人種より進んでいるかどうかはわからないですが、ロリコンの変態と言われる事が多く特に2次作品についてはかなりの頻度でロリキャラが登場します。


だだ、登場したそれらのキャラが物語においてどのような位置付けにあるかはあまり語られる事はありません。話した人がロリコン認定される不謹慎な話題だからです。



まずは簡単にロリコンの定義から始めたいと思います。

これは諸外国と日本ではギャップがかなりあり、日本におけるロリコンの定義は非常に広く諸外国とも認識が違う可能性が高いです。


ロリコンを語るうえで外せないのがペドフェリア(小児性愛)です。簡単にいえば子供を作れない異性に欲情する性癖というか西洋では病気とされています。諸外国ではロリコンとは別口にされるのですが日本ではロリコンの一種とみなされる事が多いです。


ちなみに日本で性行為が可能な年齢を厳密に定義すれば女性は16才以上、男性は18才以上の結婚可能な年齢となり、実運用では16才以上はグレーゾーン、15才以下は各都道府県の条例にひっかか性行為が社会にバレると犯罪者となります。


生理の発生が10才あたりから妊娠できるレベルでの成熟を見越すと13才以上に欲情しリビドーが発生する事自体は男性の生理的欲求としては普通で社会が近世以前ではローティーンでの妊娠、出産の記録もあります。


ロリコンの本来の意味はこれらのグレーゾーンを好む男性という事になるのですが・・・実際には年が離れている女性を好む人や成人でも幼い見た目を好む人が含まれます。面白いのが女性は自分のロリ属性を最大限に活用するのはOKらしいのですが、他の女性がロリ属性を活用すると怒ります。自分は若作りしている癖に年上で若作りしている人をみるとババアの癖にとか言って罵しるなんてのはその典型です。

これをもう少し分析すると日本は共依存型社会のため男性と女性の立場が状況により入れ替わるためではないかと思います。特に恋愛に関しては日本では女性に主導権があり女性から告白、交際、結婚なんてものあるようですが国の文化よってはビッチ認定されるそうです。これらの行為は男性がするもので女性が行うのは不謹慎で売春に相当する行為らしいです。

日本人の女性はビッチ(売女)である。というのは文化の違いにから生じる事がらで異文化の人達からみれば現在進行形でビッチです。見た目も性格も清楚で女性が男性に告白したり結婚を申し込んだ場合は日本人からみるとまっとうな恋愛ですが海外の文化ではビッチになります。


特に白人種系の女性は文化的にこの傾向が強いため日本でモテない原因の一つが肉食度不足ではないかと思います。日本の女性は肉食化、男性は草食化が進んでいると言われますが実のところ随分と昔からそうだったのではないかと思います。


どうしてこんな事を書くかというと日本の文化では女性に恋愛の主導権があるためロリコンが行いやすいからです。交際、性行為のスタートが男性側にあるのなら法律にひっかかる状態となった時に悪いのは男性としやすいのですが・・・女性に主導権があるため、そこらが曖昧なのです。というか2次キャラのロリが男性をよく誘惑するのもこれが原因かもしれません。



本題に戻ります。

舞台装置で見た時にロリコンキャラはどのような意味をもっているのでしょうか?

まずは容姿についてはほとんどが低身長で華奢な肢体で胸は大きくありません。

この事より性的欲求を満たす対象、セックスシンボルとしてのロリキャラは非常にわかりやすいです。まあ、貧乳という疑似ロリや合法ロリもいますが役割としては明確です。明確なんでスルーします。


続いてですがキャラの見分けをつけるためにロリ化。

髪色とか髪形、体型、身長などなどより優等生とかギャルとか普通の子みたいな感じでキャラの個性にあわせる、見分けをつけるためにものです。作品によってはセックスシンボルを兼ねるケースがあり、これは典型的な舞台装置です。

これを一歩進めたのが幼年向けのTVアニメ、プリキュアシリーズで主役格の5人は中学生なので全員が華奢な肢体、大人は大人らしく、髪の色でラベリングという感じです。ロリキャラ=華奢な体系、低身長が作中における年齢示すものとして使われています。


ここらが非常に巧みなのがロリコンとして有名な宮崎駿監督です。身長と肢体の華奢具合でキャラクターの年齢というのが明確になっています。面白いのは胸の大きさで華奢な肢体+巨乳というキャラクターがいます。これは幼さ+母性や大人、優秀という相反する属性を持つ事がわかりやすい形で表現されているのではないかと思います。

ちなみに歳をとるとムチムチにされたりマッチョにされたりします。そこらの描きわけが上手すぎるがゆえにロリコンと言われるのかもしれませんが実は熟女の描き方も上手いので熟女マニア、老人萌えなのかもしれません。


また、ロリ巨乳がセックスシンボルとしてはあまり使われないのも巨乳が成熟を示す非ロリの要素があるので低身長の巨乳というのはロリの要素を除く舞台装置を持つためかなと思います。まあ、巨乳=頭に栄養が回ってない女=セックスシンボル説もあるので一概には言えないですが。


さらに付け加えると女性の高身長キャラは巨乳化する傾向にあり、筋肉キャラだと高い確率で巨乳です。これは男との描きわけのためにわかりやすいシンボルとして巨乳を採用しているのではないかと思います。また、実写映画などでは高身長や筋肉女性キャラはやたらとセクシーだったりします。

ちなみに「ブラックエンジェルズ」「マーダーライセンス牙」の作者である平松先生は細身のセクシーで筋肉質な男性を描く事を得意としていますが、背の高い筋肉質な女性を描いた場合は腕だけをみると見分けがつきません。胸を見てようやく男女がわかります。


続いてはロリババアです。これは比較的新しく生まれ、ロリババアは歳をとっているのに幼い見た目だけでなく仙人、賢者、隠者、引退者、人外という属性を持つ事が多いです。これは世の理や現状の流れから逸脱した存在を上手く表現した舞台装置ではないかと思います。

舞台装置としてはかなり使いやすいようで多くの作品で採用されています。


逆に古いのがアリスです。いわゆる金髪幼女ロリです。元ネタはルイスキャロルの「不思議の国アリス」で金髪でエプロンドレスを着ているという特徴があります。こちらは使い古された感があるのと派生が極めて多いのでイメージがぼやけ気味です。近年、使われた最も有名なアリスとしては「SAO(Sword Art Online)アリスゼーション」に登場するアリスです。登場時は幼年で金髪でエプロンドレスというわかりやすいド定番のアリスキャラでした、それが成長し再登場した時には鎧をまとった騎士になっています。これは枯れたシンボルであるアリスを上手く使いキャラクターの成長と内面の変化が一目瞭然に示しているのではないかと思います。


近年、目にするようになったロリの新しい舞台装置としては作品のリメイクに伴うロリ化、女体化などです。もちろん逆のケースもあると思います。

これに該当するのが「この素晴らしい世界に祝福を」のメグミンです。WEB版の原作では16才でスレンダーな女の子だったのですが一般書籍化に伴いロリ化しました。作品としてはエロ要素が入っており、WEB版原作では主人公はこのキャラにひどいセクハラをします。ここらを軽減するセクハラ対策としてのロリ化=性的対象外の存在への移行ではないかと思われます。作品にセクハラ対策が必要なんてのは今の時代を示していると思います。

また、「コップクラフト」という異世界からやってきた騎士と刑事がタッグを組む異色の刑事ものでは最初の出版社では姫騎士(超美人)だったのが幼女騎士(見た目のみローティーン)に変わっていました。捜査の舞台が地球側という事もありパートナーとの性的要素を遮断するというセクハラ対策と異分子、逸脱者を示すロリババアの合わせ技です。

まあ、作中ではいわゆるラッキースケベが単なるトラブルだけど、こちらからの視点でみるとラッキースケベはやはりラッキースケベという矛盾もあるのでどこまでセクハラ対策になっているかは謎ですが・・・


この不謹慎なエッセイですが・・・削除要請なギリギリ線をせめていきたいと思います。

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