第26話 5月23日(日)
「幸子、いらっしゃい。久しぶりだね?」
「⋯」
「入って?」
「ここで⋯良いです。」
「なんで?中でコーヒーでも飲みながら話そうよ。結婚式について。」
「!? どういうこと!?」
「俺はね、ハワイでしたいなって思ってる。で、帰ってきたら早速子作り。幸子に似た女の子が良いなぁ〜。ああ、内緒にしてたけど、指輪も予約してるからさ、楽しみにしてて。それと⋯」
「ちょっと!待って!!」
「なに?」
「⋯私は別れ話をしに来たんです。」
「は?」
「LINEでそう書いてあった!」
「⋯ちょっと待ってて。」
ガチャ。
トントントン
スーッ
⋯⋯
ガチャ!!
「ねぇっ!!それやめて!!煙草じゃないでしょ!?」
「フーッ。 ⋯え?なに?」
「それやめてよ!!大麻ってやつじゃないのっ!?」
「よく知ってるねぇ〜幸子は。フフフ。」
「前に調べたの。あとラムネの容器に入ってるの、覚醒剤でしょ?」
「え?あははは!!あれは〜ラムネだよ〜美味しい美味しいラムネ。ムカつく上司のストレスを軽減してくれる、優しいお菓子。幸子にもあげようか?あ、でも幸子には必要ないか、だってこれからはずっと俺の元で俺だけの為に生きていくんだもんなぁ〜フフフ、あははは!」
「⋯⋯狂ってる。」
「おっと、どこ行くの、幸子?」
「離してよ!!」
「ねぇ、どこ行くのって聞いてるんだ。」
「やめてよ!離して!!」
「どこ行くんだよっっっ!!」
ギュウウウウウッッッ
「かっ⋯は⋯⋯」
「幸子⋯⋯幸子⋯⋯キミはずっと俺のものだ⋯俺だけのものだ⋯そうだろ?」
「俺はずっと幸子の事だけを考えてきたんだ⋯幸子、愛してるんだよ、誰よりも。」
だらん
「幸子?あれ?」
「幸子⋯オイ⋯幸子⋯。」
「死んでる⋯?」
ニャーン!
ビクッ!!
「ミーちゃ⋯」
「俺⋯幸子を⋯殺⋯した?」
「⋯⋯⋯。」
「いや、幸子があんな事言うわけないし、コイツは偽者か!」
「なんだぁーそっかぁ!!」
「あははは!!じゃあさっさとコイツ片付けなきゃな。」
「このままじゃ捨てられんし、バラバラにして捨てるか!」
「使ってなかったクーラーボックスに入れて冷やしときゃ、暫く置いとけるか。」
ガタゴト⋯ガタッ⋯
「あったあった!前冷蔵庫壊れた時、使ってたんだよなー!」
「さぁて!この偽物をさっさと解体しますかっと!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます