第1話
異変を感じた時には、もう既に彼の心は私の傍にはなかった。
いわゆる浮気というやつだ。
別に女性からのメールだとか、仲の良さそうな写真だとかを見たわけじゃない。本能だか女性の勘だか、なんかそんな感じのようなもので悟ってしまったのだ。
彼の長所である「素直」が短所に変わったのは、私が浮気を問いつめたときくらいだった。証拠はないのだから、いくらだって逃げ道はあったろうに。嘘をつかれるのは嫌だが、簡単に認められるのも癪だというのは微妙な女心である。
彼なら絶対しない、というほどの確信も自信もなかったから、落ち込みはしたが案外受け入れることができてしまった。もっと自信をもって彼を繋ぎとめていれば、というのも後の祭りなのだろう。
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