第2話

彼の本に見覚えがある。

私が最後に借りた自殺の本。

私は本に従った。

そして自ら命を絶った。

残ったのは後悔だけ。


「自殺は救いにならないよ」


貸出へ向かう彼の背中に呼びかける。

返事はないと分かっているけど。

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