第終話 再会 その2(後日談)
「…何ここ!?」
「真っ白…私たち、前見たことあるね!」
「お母さんが急にいなくなって僕たちもいなくなるの!?」
…はい。四神の皆さんが子供たちを呼んでくれました。ありがとうございます!
「…みんな…」
「あ!2人とも!あっち!」
「え?…あっ…」
「父さん…」
「…会いたかった…」
「僕もだよ…お父さん…」
「会えてよかった…」
「何年会わなかったんだろう…私たち…ずっと待ってたんだよ?お父さんの帰りを…」
「まだ帰れる気がしないけどね…」
「父さん…僕…成長したよ…」
「うん…随分と大きくなったね…」
身を寄り添いあって泣き合う。…幸せだよ…!
「…家族って…いいものだな…」
「そう…じゃな…」
「…みんな?改めて…久しぶり!」
「「「久しぶりー!」」」
「ふふ!よく出来ました!」
「もう僕たちは子供じゃないんだよ?」
「いや!まだ子供だよねー?」
「じゃあいつから大人扱いなの?ね?お父さん?」
「つがいになってからじゃないかな?」
「じゃあレオはもうすぐ大人だね!」
「やたー!でも…そういう姉ちゃんとカエデはまだ子供だね…?」ニヤニヤ
「ちょっと!?パークにはメスくらいしかいないんだからメスとして産まれた私はつがいになるのが難しいの!」
「僕は…絵の修行をしてそれでいろいろなフレンズさんに会うよ」
「へぇ!みんながんばれ?奇跡の出会いがそのままつがいにまで発展する可能性だってあるんだからね?カエデの絵の修行は色々な場所に行くからいいかもね!」
「そうなの!?じゃあ私はなんでも屋をやろうかな!?」
なんでイナはソルジャーみたいなことをするのかな?
「ま、まあ役に立ちたいならいいんじゃないかな?」
「…あっ!そうだ!」
「んー?」
「みんなで集まって決めたんだけどね、このセルリアンのことが落ち着いたら日替わりで交代する料理屋をやろうって話になってるんだー!」
…ほう?料理屋?
「なんでそんな話に!?」
「話の発端はみんなに料理を食べてもらいたいってことから始まったんだよ!」
「より効率的にみんなに料理を食べてもらうためにはどうすればっていう話題で話してたら博士と助手が「こういう建物があるのです」って教えてくれたんだ!」
「だから、私たちで建物も料理も全部一から考えることになったの!」
へぇ…面白そうじゃん!
「なるほど…よし!お父さんが腕を振るおうか!」
「いいの!?絶対みんな喜ぶよ!」
「あ、今決まってることなんだけど…フレンズさんはほとんどが文字を読めないじゃん?だからメニューは絵にするんだー!」
「そしてその絵を描くのが!」
「僕たちだよ?」
「私たちだよ?」
「おお!?こりゃ頼もしい!」
「そして、聞いたんだけど…みんなの中でお父さんとカカオさんが料理が1番うまいって聞いたから…料理長ってやつをお願いしたいんだけど…」
「…よし!お父さんに任せて!和食洋食中華なんでも来て!」
「ありがとう!そしてなんだけど、日替わりで交代する料理屋って言ったじゃん?」
「そうそう、それどういうこと?」
…意味が全然わからん!
「えっとね?簡単に説明すれば店員ってやつもメニューもなんでも日替わりの料理屋にするつもりなんだ!」
「メニューは落ち着くまでお母さんとカエデに毎日描いてもらうんだけど、そこでお父さんにお願いがあるんだ!」
「お願い?」
「うん!メニューを博士と助手のところに持っていってわかりやすいようにしてもらってそれをへいげんに建てるつもりの料理屋に持っていってほしいんだ!…できる…かな?」
へいげん…遠いな…でもこれはフレンズさんたちに料理を食べさせるため!もちろん引き受けさせてもらおう!
「…お父さんをなんだと思ってる!」
「ひっ…」
「…?なんで怯えてるの?もちろん引き受けさせてもらうつもりでいるけど…」
「え?OK?」
「もちろん!お父さんはまだヘタレる時期じゃないからね!頑張らせてもらうよ!」
「「「ありがとー!」」」
…全く、みんな可愛いよ!
「…オレンジ?」
「ん?」
「5人に許可をもらってきたよ?オレンジが今だけ具現化できるようになってるからそれでなんとかしろって言ってたよ?」
「え?なんの?それにどゆこと?」
「え?今日の夜のことだけど…」
…まさかフィルター内でもオオカミさんと交われってことですかー!?…それはそれで嬉しいッッ!
「…よし、どうせなら…ね?」
「いいん…だね?」
「もちろん!だって今回逃したらまた長い間できなくなるんだよ?」
「そう…だね!」
「…あ!そーだ!」
ん?レオが振り向いたらみんなも振り向いたんだけど…何かあるのかな?
「四神…ですよね!それとセーバルさんですよね!」
「ん?どうかしたのか?」
「お父さんに修行を受けさせてるんですよね!」
「そうじゃが…」
「この夜か明日の朝、僕たちで修行を受けてみたいんですけど…」
「「「「「「「!?」」」」」」」
今!ここにいる子供たち以外のフレンズが驚きを隠せない!
でもこんな子に育ってくれて嬉しいよ!
「…修行を受けて何をするつもりなのかしら?」
「…私は大切なフレンズさんを…守りたいんです」
「僕はセルリアンに対抗する力をつけるために」
「僕は…愛する妻であるニホンオオカミを守るために」
「…覚悟はできてるんじゃな?」
「「「はい!」」」
「…なら明日の朝、やるわよ」
「ほんとですか!?」
「…してイナよ」
「どうしました?」
「お前が思う…大切なフレンズとは誰なんだ?」
「イタリアオオカミです!よく森に入っては遊んでるので!実は前に遊んでいる時に結構大きいセルリアンと出くわして…その時は2人でなんとかしたんですけど、そこでイタリアオオカミが怪我をしちゃって…それから私は力をつけてみんなを守るようなことがしたいって思ってるんです!将来フレンズさんの役に立てるようななんでも屋を目指しているので!」
「…なるほど。事情はわかった」
「明日、突貫で修行をお前たち向けに行うつもりじゃ。そこでお前らの父親のオレンジの2倍の修行量をこなすことになるが…」
「え?なんで2倍なんですか?」
「そなたらがこの次元にいられる時間は限りがある」
「だからこそ、限られた時間の中でどれだけ成長するかによってくる。つまり、修行量は多くなる」
「なるほどです!その覚悟はできてるので!ね!レオ!カエデ!」
「…ふふっ!覚悟するどころか楽しみだよ!」
「その様子だと心配する必要はなさそうじゃな!でも無理はするんじゃないぞ?」
「わかってますよ!」
いやー、まさか子供たちが修行をするなんてねぇ…意外。
「…?お父さん…」
「ん、カエデ?どうしたの?」
「具現化…できるの?」
「うん!なんでも出せるよ!」
「じゃあいくつかお願いしたいんだけど…いいかな?」
「うん!どんなの?」
「絵を描きたくて…」
…
はい。簡単に言うならば、外で絵を描けるようにするためにスケッチブックやら色鉛筆やらたくさんでした。まあ全部具現化できたけどさ!
「ありがとー!さっそく描いてくるね!」
「おっけー?」
この空間に描く物とかあるの?
…
カエデ視点
「ビャッコさーん!」
「ん?」
四神の誰か、描いてみたかったんだよねー!
「ビャッコさん!モデルになってもらっていいですか!?」
「ん?なんだ?そのモデルというやつは…」
「簡単に言えば…ビャッコさんは今座ってるじゃないですか?それをこの紙に描くんですけど…描くための物とか存在がモデルって言うんです!」
「なるほど…つまり私の姿が描きたい、ということか?」
「はい!」
「…いいぞ!心ゆくまで描くといい!」
「いいんですか!?ありがとうございます!」
やたー!めちゃ嬉しい!四神って言うくらいだから許可とるのは難しいかと思ったけど割とすんなり許可くれた!
「…ん?私の今座っている絵を描くんだよな?」
「はい!」
「じゃあ…そうか」
「ん?どうかしました?」
「いや、動かない方が…」
「そうですね!」
察しがいい!…でもまだ1人めだから…2人描きたいんだよね!
…
「…できました!ありがとうございました!」
「…どうだ?見せてくれないか?」
他人に絵を見せるのは慣れてる!だから恥ずかしがらずに見せれるよ!
「はい!」
「…!?おぉ…!うまいな…!」
「そうですか?でも僕はまだまだ…」
「…絵、趣味か?」
「はい!ていうかよく気付きましたね!?」
「これぐらい上手く描けるようになれるのは練習が必要だ。わかりやすいぞー?」
「ははっ!昔から好きですからね!」
「…母親譲りの腕前ってやつか…?」
いやー!いい作品ができました!後もう1人!
…
近くにいるのは…セイリュウさん!…ちょっと怖いんだよね…でも!描きたいんだ!
「セイリュウさーん!」
「…ん?どうかしたかしら?」
「セイリュウさん!あなたの絵を描かせてください!」
「絵?別にいいわよ?」
「いいんですか!?」
「でもひとつ条件があるわ」
条件…なんだろうね?
「紙に書いた私の絵、一枚私にくれるなら描いてもいいわよ?」
…大丈夫!問題ない!トレースすれば問題ないね!
「…はい!わかりました!」
「じゃあ…どのようなポーズを取ればいいのかしら?」
「あ!座ってていいですよ!」
「あ、わかったわ」
…
「2枚できましたー!」
いやー、ビャッコさんの時より時間がかかった!2枚描いてるからって言うのもそうなんだけど尻尾が描きにくいのよ!
「見せてくれないかしら?」
「どうぞ!…どうでしょう?」
「…嘘!?私こんな…ありがとう!私に気づかせてくれて!」
「え?どこが?」
「ほら!髪の毛が乱れてるじゃないの…!」
…メスってそういうところもケアするんだ。オスは大体寝癖つかっぱないとかありそうなんだけど。
…だけど!こういうところで直してあげるのがオスでしょ!
「…ちょっと座ってくれませんかね…?」
「…?何をするつもり?」
実はいつものバッグに間違えて髪の毛を解くやつを持ってきちゃったんだよ。羽箒と間違えて。
「…気持ちいいですか?それといつもの髪型はどうなんですか?」
「…何してるのかしら…?」
「何って…はねた髪の毛を直してるんですよ…?あ、もしかしてやだでした?」
「いや…むしろ感謝するわ!」
「よかった!」
この後、ちゃんと髪の毛を直して感謝の言葉をもらったよ!間違えて持ってきた物が役に立つとは…
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