第7話 ニート6日目

とうとう来てしまった。

定期的に来るネガティブの波が来てしまった。

もうこうなってしまうと、誰に何を言われても後ろ向きな答えしか出てこない自分に頭を抱える。

辛い、なんでこんな事になってしまったんだろう。

自分の口から出てくるのはそんな言葉ばかり。

ああ、普通の家庭に産まれたかったな。

そうしたらきっとまだ二人暮らしなんてしなくて済んだはずなのに。

今思っても仕方のない言葉ばかりが頭を過る。


自分が物心付くまでは一般的な家庭だと思っていた。

周りがそうであるように、当然自分も当てはまると思っていた。

だが、自分が年長さんになって母親に告げられたのは、「人とは違う」と言う事。

友達のように幸せな家庭ではない、と言う事をその時初めて知った。


普段家には父親が居ない。

愛人宅で過ごしているから。

だから、私が父親に会えるチャンスは自営業で営んでいる会社の営業時間だけ。

その時間だけは私が唯一父親に会えるチャンスだった。


酒癖も悪いし、一子供として甘えてみようもんなら後で母親にダメだしされ。

今となっちゃどうしてそんな父親に構ってもらいたかったのかは分からないが、その時の私は子供として父親に甘えたかったのだと思う。

母親も大好きだし、父親も大好きであるべきだとその時の私は思い込んでいた。


今は、大好きな母親はおらず、大嫌いな父親だけが残った。

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