第57話 貝塚ダンジョン攻略(2)

「それにしても――」


 通路上の粉々になって転がっている落花生へと視線を向けるが、周辺にはドロップらしき物は見当たらない。


「日本ダンジョン探索者協会のホームページにも、ドロップに関してはモンスターを倒せば出てくるとしか書いていなかったからな……」


 他の探索者と思わしきサイトにも、どういう風に出るのかまでは詳しくは書いていなかった。

 まぁ、探索者にとってはドロップ品は高く売れるから死活問題だからな。


 自分の飯のタネを人に教えるようなお人よしはいないだろう。

 そのあたりの感覚は万国共通なのか、調べた限り見当たらなかった。

 

 インターネット上でも、本当に必要な情報は流れていないというのは仕方ないと言えるな。


「仕方ない……、自分で実証するしかないな」


 

 

 ――ダンジョン内、11階層にてレベル11 名称 飛翔する落花生 が、4917匹確認できました。

 ――ダンジョン内、11階層にてレベル11 名称 飛翔する落花生R が1匹確認できました。



 スキル「解析LV10」で見る限り、魔物はまだいるようだ。


「――ん? 飛翔する落花生R?」


 フロア内で1匹しか居ない?

 つまりボスか何かか?


「だが――、Rの意味は一体なんだ? スマートフォンで確認しようにも、モンスター名を気にする奴は居ないというかモンスター名を知っている人間はいないだろうからな……」


 まぁ、11階層の広場にいけばモンスターが纏まっているだろうからな。

 

 ――まっすぐに通路を歩く。

 2階層から10階層までは、階段を降りてから1分以内でフロアの広場に到着したが。


「いけどもいけども一本道だな――、よっと!」


 飛んできた落花生を右手で打ち砕く。

 やはりドロップ品は落ちない。


「迷宮内の地図があればな……」


 


 ――スキル「MAP作成LV1」を手に入れました。




 …………またまたタイムリーにきたな。

 

 まるで誰かが俺の欲しいスキルをくれているようにすら思えてしまうが、今はありがたい。

 視界内に表示されているスキルのボタンをクリックする。


 

 

 スキル


 ▽「ロリ王LV1」(+)(ON/●OFF)

 ▽「JK交際LV1」(+)(ON/●OFF)

 ▽「隠蔽LV10」(●ON/OFF)

 ▽「ポーカーフェイスLV1」(+)(ON/●OFF)

 ▽「#JWOR」

 ▽「ZH)N」

 ▽「大賢者」(●ON/OFF)【頑張った自分へのご褒美のため長期休暇中】

 ▽「アルコール耐性LV10」(●ON/OFF)

 ▽「救急救命LV10」(●ON/OFF)

 ▽「限界突破LV10」(ON/●OFF)

 ▽「バーサクモードLV10」(ON/●OFF)

 ▽「威圧LV10」(ON/●OFF)

 ▽「MAP作成LV1」(+)(ON/●OFF)

 ▽「暗視LV1」(+)(●ON/OFF)


 ▽所有ポイント 23  




「さて――、どうしたものか……」


 よくよく考えてみれば、ダンジョン内では暗視のスキルが必要な気がする。

 あとは、MAP作成についても必須だろう。









 ――だが、1つ問題があるな……。


 所有ポイントは限られている。

 必要なスキルを覚えた時に所有ポイントが足りなかったら困る。

 ステータスをリセットしてから、スキルにポイントを振るのもいいが――。


「ステータス初期化後の5分間ディレイがきついな」


 ダンジョン内では何が起きるのか分からない。

 ステータスが下がっている状態で、モンスターに襲われたら元も子もないからな。


 どうしたものか……。

 ステータスを項目を選ぶ。




 ステータス


 名前 山岸(やまぎし) 直人(なおと)

 年齢 41歳

 身長 162センチ

 体重 66キログラム


 レベル1(レベル1100)

 HP 10/10(11000/11000)

 HP 10/10(11000/11000)


 体力217+〔4774〕(+)

 敏捷215+〔4730〕(+)

 腕力216+〔4752〕(+)

 魔力100+〔2200〕(+)

 幸運100+〔2200〕(+)

 魅力103+〔2200〕(+)


 ▽所有ポイント 23




 ふむ……。

 以前に、スキル「大賢者」が、レベル1ごとに2%の補正が基礎ステータスに付与されると言っていたが、とんでもないステータスになっているな。

 これなら、周囲の魔物も倒したから何とかなるかも知れないな。


 ステータスを一度、解除する。




 ステータス


 名前 山岸(やまぎし) 直人(なおと)

 年齢 41歳

 身長 162センチ

 体重 66キログラム


 レベル1(レベル1100)

 HP 10/10(11000/11000)

 HP 10/10(11000/11000)


 体力17+〔374〕(+)

 敏捷15+〔330〕(+)

 腕力16+〔352〕(+)

 魔力 0+〔 0〕(+)

 幸運 0+〔 0〕(+)

 魅力 3+〔 66〕(+)


  ▼所有ポイント 923 




  リセット所有ポイント 923 制限解除まで300秒




「――さて、5分待つとするか……。それよりも、思ったよりレベルの恩恵が大きいな」


 レベル1100だと、基礎ステータスに2200%の補正が掛かるからだろう。

 

「なるほど……、だから杵柄さんを抱えたまま家の塀を超えられたのか」


 当時は気にしなかったが、いまにして思えばすごいことだよな……。

 外でもレベル補正が見えれば便利なんだが……。




「そろそろか……」




 ステータス


 名前 山岸(やまぎし) 直人(なおと)

 年齢 41歳

 身長 162センチ

 体重 66キログラム


 レベル1(レベル1100)

 HP 10/10(11000/11000)

 HP 10/10(11000/11000)


 体力17+〔374〕(+)

 敏捷15+〔330〕(+)

 腕力16+〔352〕(+)

 魔力 0+〔 0〕(+)

 幸運 0+〔 0〕(+)

 魅力 3+〔 66〕(+)


  ▼所有ポイント 923 




  リセット所有ポイント 923




 とりあえず、ステータスに関してはレベル補正が効いているようだから、多めに所有ポイントを保持しておくのがベストだろう。

 そう考えると――。




 ステータス


 名前 山岸(やまぎし) 直人(なおと)

 年齢 41歳

 身長 162センチ

 体重 66キログラム


 レベル1(レベル1100)

 HP 10/10(11000/11000)

 HP 10/10(11000/11000)


 体力17+〔374〕(+)+133 → 体力150+〔3300〕(+)

 敏捷15+〔330〕(+)+135 → 敏捷150+〔3300〕(+)

 腕力16+〔352〕(+)+134 → 腕力150+〔3300〕(+)

 魔力 0+〔 0〕(+)+100 → 魔力100+〔2200〕(+)

 幸運 0+〔 0〕(+)+100 → 幸運100+〔2200〕(+)

 魅力 3+〔 66〕(+) +97 → 魅力100+〔2200〕(+)


  ▽所有ポイント 224 




 とりあえず、所有ポイントは224あれば何とかなるな。

 あとはスキルに……。




 スキル


 ▽「ロリ王LV1」(+)(ON/●OFF)

 ▽「JK交際LV1」(+)(ON/●OFF)

 ▽「隠蔽LV10」(●ON/OFF)

 ▽「ポーカーフェイスLV1」(+)(ON/●OFF)

 ▽「#JWOR」

 ▽「ZH)N」

 ▽「大賢者」(●ON/OFF)【頑張った自分へのご褒美のため長期休暇中】

 ▽「アルコール耐性LV10」(●ON/OFF)

 ▽「救急救命LV10」(●ON/OFF)

 ▽「限界突破LV10」(ON/●OFF)

 ▽「バーサクモードLV10」(ON/●OFF)

 ▽「威圧LV10」(ON/●OFF)

 ▽「MAP作成LV10」(+)(●ON/OFF)

 ▽「暗視LV10」(+)(●ON/OFF)


 ▽所有ポイント 206




 よし、とりあえずは――、暗視とMAP作成をレベル10にしてアクティブ設定は完了だな。

 



 ――スキル「MAP作成LV10」がアクティブ化されました。

 ――視界内にMAPを投影します。




 視界内の半透明のプレートにログが流れると同時に、視界内の右上にMAPが表示される。

 投影された視界内のMAPを確認する。

 

 地下1階から地下11階までの構造は、青い3次元のポリゴン線で表示されており背景が黒いこともありダンジョンの構造が一目で確認できて分かりやすい。


「なるほど……」


 どうやら地下1階から地下10階までは、一本の通路の両端に階段があり、その通路の中央に学校でいう所のグラウンドと同じくらいの大きさの広間があったようだ。


 そして、問題は地下11階層から下だが――。


「ふむ……、どうやら一本の通路というのは変わっていないようだが……、これは――」


 地下11階層から、地下30階層までは一本道だが、距離がものすごく遠い。

 MAPを最小化し1階層と比べてみる。


 1階層は、最初の入り口から広間まで10分ほどの距離があった。

 その距離と同じほどの距離が、地下11階層以下は1階層ごとに存在している。


 つまり、11階層から30階層まで降りて行こうとすると単純計算で190分ほど。

 時間に表すと3時間ほどかかる。


「3時間か……、走ればもっと早くいけそうだが……」


 問題は、モンスターからのドロップがまったくない事にある。

 しかも地下深くまで潜れば潜るほど、今度は帰還するのに時間が掛かってしまう。


 アリバイ工作をしてきたと言っても一日以上もシャワーを流していたら、今度は逆に疑われてしまうだろう。

 そうなると短時間で薬を手に入れるのが好ましいが……。


「モンスターからのドロップが良くなる方法か……、よくある多人数型オンラインゲームだと高難易度狩場に行けば行くほどドロップがよくなったり、課金するとドロップが出やすくなることがあるが……」


 そうなると地下深くに潜ったほうがいいかも知れないが……。


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