第11話 修行終了

 メイルンもネネーネもドースンも肉体的な時間的には数時間程度しかたっておらず。

 残念ながら3日は立っていた。

 3人が始まりの街に帰宅したとき、

 まるで先生のように俺は拍手した。


 3人が頭を同時にぽりぽりと掻くのは、そこまでチームワークがいいのかと、

 突っ込みたくなったが、


 女勇者メイルンと魔法使いネネーネと運び人ドースンは、レベルもあがり、スキルもあがり、色々とスキルを覚えてきたので。


 ロンパとしてはこれで死に近づけると、ぐふふと笑っていた。

 これからも修行内容を考えていく必要がある。

 これだけではまだまだダンジョンを攻略することはできないのだから。


 その日は食事をとるでもなく、

 宿屋に向かうと、それぞれの部屋に戻っていき、

 3人とも爆睡してしまったようだ。


 ロンパもこう見えて3人に害が及ばないようにと大魔法を連発したので。

 結構なダメージになっている。


 ロンパも夢の中に入ると。


 次の日には女将さんのフライパンの叩く音で起こされたのであった。


 ロンパはパジャマから魔法で私服に切り替えると。

 とぼとぼとゆらりゆらりと、

 まるで酔っ払いかのように歩き、

 食堂に到達していた。


 そこでは次から次へと腹に収める3人の大食いたちがいたのだから、

 ロンパとしても手で笑顔を隠しつつも、こっそりと笑っていた。


「女将さん、もっとくれ」

「女将よ、玉ねぎなしで」

「おかみさーん、こっちは肉大量で」


「うるさいわねぇ、玉ねぎはつけるわよ、好き嫌いはだめよネネーネちゃん」


「そ、そんんぁああ」


 メイルンはひたすら口がブラックホールにでもなっているかのように、

 吸い込まれていくし、

 ネネーネは串焼きばかりを食っているが、串がどこかに消えていて、気づけばゴミ箱に入れられている。

 ドースンは肉ばかりを食っており、口がてかてかの油ギッシュとなっている。


 そうやって3人がお腹を膨らますと。

 1時間の休憩をすると、3人とものお腹は普通になっている。


 色々なアイテムや装備は事前に買い出しをすませている。


「さて、みんなに紹介したい人がいる」


―――時間をさかのぼること1時間―――


 ロンパは冒険者ギルドにやってきていた。

 そこでは全身に生傷だらけだが、こっちを見ているフィーズがいたのだ。

 彼は新調したドラゴンレザーの防具を身に着けている。

 周りにはごろつきどもがいるが、

 誰もが彼に一目置いているようだ。

 フィーズはこちらをじっと見ていて、

 走ってやってきた。


「約束、守りました」


「うん、わかったよ君を弟子にしよう」


「ありがとうございます」


「だが、君は4人目の弟子ということだ。いいかね?」

「もちろんです」

「その4人の弟子の役目は【アモスの大迷宮】の攻略だ。現在1階層までクリアしている」

「ま、まじですか、あそこのスライムめちゃくちゃ強かったですよ」

「まぁいろいろとコツがあるんだがな、さて、君は勇者のパーティーになれるかな?」

「もちろんです。勇者様はとても尊敬しております」

「よろしい、では行こう」

「はい、勇者様と合流して、次は大迷宮なら、クエストを一度完了してからでもいいですか?」

「もちろんだとも」


 フィーズがそそくさと受付嬢の人と二言三言すると、沢山のお金をもらって、戻ってきた。

 彼はお金をアイテムボックスに入れているところを見ると。

 色々と習得が難しいとされているアイテムボックスをうまく使っているようだ。

 アイテムボックスを手に入れるのはとても簡単な話ではない。


 ―――合流―――

「さて、みんなに紹介したい人がいる」

 

 その合図の声で、全身ドラゴンレザーの防具の男性が表れる。

 

「彼の名前はフィーズ、こちらが勇者メイルンと魔法使いのネネーネと運び人のドースンだ」

「メイルン様、よろしくお願いします。あなたのようなお嬢様が、勇者でとてもうれしく存じます。お時間があれば、お茶でもどうですか?」

「あ、はい、お願いします。お茶はいりません」


「精霊族、なんという響きでしょう、精霊のような美しさを醸し出した少女、まさしくプリティーだな、それで魔法を使えてしまう、永遠のプリティーは最強だ」

「いえ、単純に年齢の問題なのでは? 精霊族は大人になると普通の人間とさほど変わらないので、髪の毛が少し燃えている程度かと」


「このごつい老人、まさにドワーフ族の鏡、うるわしい姫を2人とも守るナイトということでしょうか、このフィーズ、ドースン様には男のなんたるかを教えていただきたい」

「わしゃ女については知らんが力技ならしっとるぞい」


「は、はは、皆様個性的で」


「「「「いや、てめーが個性的すぎるよ」」」」


 メイルンとネネーネとドースンとロンパが断言していた。


 フィーズは顔を真っ青にしていたのであった。


「ではみんな準備ができたと思うので【アモスの大迷宮】に行くぞ、心残りがあるなら今のうちに言っておいてくれ」


「「「「準備OKです」」」」


 全員が叫ぶのと同時に、

 テレポート魔法を作動させていたのであった。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る